1988年発表のクリス・レアのベストアルバムです。
新曲 “Let’s Dance” を含め、全曲新録・新アレンジという構成になっています。アルバムタイトルから、なるほどそう言う意味かと頷くコンセプトではあります。
「新アレンジ」というのは、一般論ですが賛否分かれるということが時折ありまして、曲に対する新たな楽しみがある一方、その曲を聴いていた頃を回想したいのに、アレンジが大きく変わると「あれっ?」と言うことになってしまう、なんてこともあります。
本作品では、クリス・レアのヒット曲の中では恐らく一番知られていると思われる “On The Beach” が、原曲から大きくアレンジを変えて収録されています。
原曲は、全体を覆う幻想的なムードとクリス・レア独特のしわがれ低音ヴォイスが渋いことこの上なかったのですが、本作のバージョンは最初の小節から8ビートのポップ・ロックな作品となっています。
拍子抜けとは正にこのことで、当初は正直とてもがっかりしたものです。ところが、曲が良いからなのか、聴き込んで行くうちに不思議と結構いいじゃないか、と思えてきました。とは言え、オリジナルの幻想的な雰囲気も捨てがたいから、やっぱり両方のバージョンを愛していくのでしょうね。
それ以外の聴きどころは、彼のクリスマスソングで、もともとは1987年に日本限定で発売された “Snow” というミニアルバムに収録されていた “Driving Home For Christmas” が本作に収められていることでしょう。
この曲はタイトルを見てお分かりの通り、クリスマスに自宅で楽しみに待っている家族を想いながら車を走らせる、といった内容で、私のベスト・クリスマスソングの一つです。曲調も非常に季節感溢れていて、これからの年末にかけて超オススメである。
日本でも時折ラジオ等で耳にすることがあるので、徐々にではありますが浸透していっているのかな?と思います。
それ以外の曲は、そこそこオリジナルのアレンジに近いものであり、名曲 ” Steel River” での、彼の代名詞ともいえるブルージーなスライドギターも堪能でき、アルバム全体としては納得のいくベストアルバムと言えるかなと思います。
Tracks:
01: Let’s Dance
02: Working On It
03: Ace Of Hearts
04: Josephine
05: Candles
06: On The Beach
07: Fool (If You Think It’s Over)
08: I Can Hear Your Heartbeat
09: Shamrock Diaries
10: Stainsby Girls
11: Windy Town
12: Driving Home For Christmas
13: Steel River
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