ボ・ガンボスのファーストアルバムです(1989年発表)。
ファーストアルバムと言っても、彼らは別のバンドなどでの活動が長かったから、いわゆる初々しさと言うものはない。
(どんと、永井利充は直前にローザルクセンブルグを解散してボ・ガンボスを結成していますね。)
このバンドの魅力は何と言っても、キーボードのきょんの存在です。きょんのニューオリンズ色の強いピアノを聞くと、これが本当に日本のバンドかと疑ってしまいたくなります。「魚ごっこ」「見返り不美人」などで聴ける、飛び跳ねるようなピアノはまさにプロフェッサー・ロングヘアやドクター・ジョンあたりの「ニューオリンズ直系」の音なんです。
後半は派手なピアノというよりは、リーダーのどんとが敬愛していたボ・ディドリー系の独特なリズムの曲が目立ってきます。これも良いですねー。聞き手をニヤッとさせてしまう名演。
そして、「ずんずん」には、なんとボ・ディドリーご本人も参加して、「本家」とのボ・ディドリー・グルーヴを聴かせてくれます。
今まで日本のロックバンドでは聴かれなかったアプローチや、私自身ニューオリンズR&Bやファンクが大好きなので、本作は私にとって1980年代の日本のロックアルバムの中では一番印象に残った作品です。できればバンドも解散することなく、また、どんとも亡くなることもなくずっと活動を続けていてくれていれば…、と思わずにいられません。
Tracks:
01: 助けて!フラワーマン
02: 泥んこ道を二人
03: 魚ごっこ
04: Hey Flower Brother
05: ダイナマイトに火をつけろ
06: 夢の中
07: ずんずん
08: 見返り不美人
09: トンネルぬけて
10: Zombie-Zomb
11: ワクワク
12: 目が覚めた
13: 時代を変える旅に出よう
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