Yellowjackets / Like A River

イエロージャケッツの1993年発表作品。
イエロージャケッツは、コンテンポラリー・ジャズのグループの中で大好きなバンドの一つです。各パート、特にリズムを形成しているベース (ジミー・ハスリップ)とドラムス(ウィリアムス・ケネディ)による、黒人音楽寄りのタイトで細かい「刻み」がたまらないからです。本作においても、ポップよりと言うよりはファンキーさを前に出した曲が印象的です。

本作では、特にマイルス・デイヴィスに捧げたと言われる”Dewey”は名演。ファンク色の強いリズムに乗せて演奏される、ミュートを利かせたトランペットはまさにマイルスに捧げられたものですね。この曲が本作の中では一推しだと思っています。これを聴くと、改めてマイルスのアルバムを聴き直してみようかな、という気になります。
ちなみにこのトランペットのゲスト演奏はティム・ヘーガンス。彼は、本作品では “Suenos” にも参加していて強い存在感を示しています。もっと大々的にクレジットしてあげてもいいのでは?と思える活躍ぶりです。

冒頭に書いたリズム・セクションのたまらなさと言うことで言うと、冒頭の “Man Facing North” における5弦ベースプレーヤー、ジミー・ハスリップのの変態ベースソロは技術的にもホレボレするもので、是非お勧めしたい一曲。1980年代後半のパット・メセニーのアルバムを彷彿とさせるバッキング・ヴォーカルが聴けたりもします。それと “Suenos” におけるウィリアムス・ケネディの変則リズム。こちらのうまさは、「技術高いっ!」と唸ってしまう職人芸です。

Tracks:
01: Man Facing North
02: My Old School
03: River Waltz
04: Dewey
05: Memoirs
06: Azure Moon
07: Suenos
08: 1998
09: Sandstone
10: Solitude


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