ドクター・ジョン1972年の作品です。
ニューオリンズで生まれ育ち、ニューオリンズの音楽環境に囲まれて育ったドクター・ジョンが、ロサンゼルスに拠点を移した後、自らの原点に帰って故郷の音楽をまとめあげた、そんな感じのアルバムです。ニューオリンズR&Bのお手本とも呼ばれている秀作です。
曲の多くは昔から歌われているニューオリンズのクラシックです。特に有名な “Iko Iko” から始まり、その後もプロフェッサー・ロングヘアの影響を強く受けた独特の「うねり」を堪能することができます。ドクター・ジョンのピアノ演奏は当然のことながら、誰にも真似ができないあのダミ声は魅力的。
特にお薦めはピアノ一本で歌われる “Tipitina”。この曲で思い出すのは、遠い昔「ポッパーズMTV」という番組にドクター・ジョンが出演し、ピーター・バラカン氏の前でこの弾き語りをやったことがあって、この時の演奏はあまりの渋さに背筋がゾクゾクしたことです。この時のことは今でも忘れられません。
これら以外にも、ニューオリンズR&Bのスタンダードとも言える “Big Chief”、”Junko Partner”あたり、また1950年代のR&B色の強いロックンロールメドレー(ヒューイ・スミス作品)など、ロックンロールをニューオリンズ風に料理した感じの曲も収録されています。アメリカ南部のダンスパーティーなんかでかかりそうな、楽しい曲たちです。
ニューオリンズ音楽とは何ぞやという疑問をお持ちの方は、この流れるようなピアノを聞いてノックアウトされて欲しいです。ロック史にも強い影響を及ぼしたと言える本作品、是非聞き逃しなく。
Tracks:
01: Iko Iko
02: Blow Wind Blow
03: Big Chief
04: Somebody Changed The Lock
05: Mess Around
06: Let The Good Times Roll
07: Junko Partner
08: Stack-A-Lee
09: Tipitina
10: Those Lonely Lonely Nights
11: Huey Smith Medley
12: Little Liza Jane
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