1978年発表の、ボブ・ジェームスが一番脂の乗り切った頃の作品です。
この頃のボブ・ジェームスはなかなか速いペースでアルバムを発表しており、制作活動も非常に充実していたものと思われます。参加しているアーティストも、ロン・カーター (ベース)、デヴィッド・サンボーン (サックス)を始めとした名手揃いです。
本作で一番印象深いのは、この頃アメリカのABCテレビ系で放映されていた人気テレビドラマ “Taxi” のテーマ曲である、”Angela” という曲。このTaxiというドラマ、ニューヨークのとあるタクシー会社を舞台にして、ごく普通の日常を描いた、アメリカにありがちなコメディタッチのドラマ(シットコム)です。確かニュース番組が終わったあと、夜10時半頃からやっていたと思います。今をときめくダニー・デヴィートや、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで博士を演じたクリストファー・ロイドをはじめとした個性派俳優が出演していました。
このタイトルバックが、マンハッタンのクイーンズボロ・ブリッジを走る1台のタクシーを映し出すもので、そのバックで流れていたのがこの “Angela” でした。この雰囲気が脳裏にしっかりと焼き付いていて、25年経った今でもこのタイトルバックを思い出します。ゆったりしたリズムトラックをバックに、淡々と流れる美しいボブ・ジェームスのキーボードがとても印象的で、エリック・ゲイルのギターもアクセントを効かせてくれ、私にとってのボブ・ジェームスのベストトラックなのであります。
“Angela”も含め、全体的には派手な感じはなく淡々とした曲調のものが多く占めていますが、心地良さは残りますね。本作以降も大きくはこの傾向は変わらないので、本作はボブ・ジェームスらしさというものを決定づけた作品と言っても良いと思います。
Tracks:
01: Angela (Theme From “Taxi”)
02: Touchdown
03: I Want To Thank You Very Much
04: Sund Runner
05: Carribbean Nights
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