Kirk Whalum / Romance Language

2012年発表の作品。昔はデヴィッド・サンボーン大好きだった私ですが(今でも好きですが)、サクソフォンをエモーショナルに吹き上げるよりも少し抑え気味に吹くプレイが好きになり、聴き始めたのがこのカーク・ウェイラムです。

さて本作品は、どうやらあの名盤、ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマンによる “Coltrane & Hartman” へのオマージュとも言われているそうです。この1963年の作品には6曲が収められているのですが、その全てが本作にも収録されております。しかも前半6曲がそうで、しかも曲順まで一緒ということだから、決して偶然などではなく、忠実に再現しているのでしょう。

で、聴いてみました。

この全般的に抑え気味な演奏は、やっぱりいいですね。カーク・ウェイラムのサックスはもちろんなのだが、主にリードヴォーカルを務めているカークの弟、ケヴィン・ウェイラムの声が暖まるんです。この、優しく語りかけるような、ロマンティックで心暖まるヴォーカルには、きっとメロメロになってしまうでしょう。カークも決して出しゃばることなく、ケヴィンのヴォーカルをきちんと生かした演奏を聴かせてくれます。
私にとってのベストトラックは、ソウルフルでありコンテンポラリー・ジャズのエッセンスもしっかり残した “You Are Too Beautiful”。カークのサックスとケヴィンのヴォーカルの絡み方が絶妙で、カークの近年の作品には必ず参加しているギタリスト、ケヴィン・ターナーのソロも見事です。

忙しい毎日を過ごしていると、ゆったりしたロマンティックで落ち着く音楽でリラックスしたいものですが、そんな気分の時にこの作品はうってつけだと思います。

Tracks:
01: They Say It’s Wonderful
02: Dedicated To You
03: My One And Only Love
04: Lush Life
05: You Are Too Beautiful
06: Autumn Serenade
07: Almost Doesn’t Count
08: I Wish I wasn’t
09: I Wanna Know
10: Spend My Life With You


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