​Willie Nelson / For The Good Times: A Tribute To Ray Price

​2013年に87歳で亡くなったカントリーシンガーの重鎮、レイ・プライスへのトリビュートとして、同じく重鎮のウィリー・ネルソンが立ち上がり作り上げた2016年の作品です。

レイ・プライスとウィリー・ネルソンは、50年以上の長きにわたってカントリーミュージック界を支えてきた人たちで、1960年前半にウィリーがレイ・プライスのツアーバンドに加入、以降ソロに転じてからも共作のアルバムも出しているという関係でした。なんかこういう企画をしたということだけで涙ぐんでしまう私です。
アルバムジャケットを見ただけでホロリとしてしまいます。

さてアルバム全体の雰囲気ですが、まず全12曲半分の6曲でバックの演奏にザ・タイム・ジャンパースが参加しています。彼らはどちらかというと、ウエスタン・スイングを得意とするバンドで、”Heartache By Number” や “I’ll Be There” のような、いかにもカントリー的で軽快な曲ではウィリーとの見事なコンビネーションが光ります。

一方、レイ・プライスが得意としていた甘いヴォーカル系の曲。ここはザ・タイム・ジャンパースではなく、メンバーを少人数に絞って演奏されています。

私がカントリーを聴き始めた中学生の頃は、こういう美しい曲は大人向けだと思いなかなか受け入れ難かったのですが、半世紀も生きてきた今改めて聞くと、レイ・プライスの美しいヒット曲たちには感動すら覚えます。メロディーが綺麗。特に “Make The World Go Away” と “Faded Love” でのストリングスと女性のバックヴォーカルが美しくて素晴らしいです。

そしてウィリー・ネルソンにとっての大ヒット曲でもある “Night Life”。ウィリーの過去の演奏では、場末のバーで聴く「枯れた」雰囲気が持ち味だったのですが、ここで聴けるのは、ストリングと女性コーラス、サックスソロ。時折聴こえる男性のドゥ・アップ風のコーラス。おしゃれさすら感じる綺麗で斬新なアレンジになっています。

そんなわけで、本作は昔からのカントリーミュージックファンには是非オススメの作品です。ウィリー・ネルソンも衰えを全く見せておらず、今年83歳になりますが精力的に活動を続けています。

Tracks:
01: Heartache By Number (feat. The Time Jumpers)
02: I’ll Be There (feat. The Time Jumpers)
03: Faded Love
04; It Always Will Be
05: City Lights (feat. The Time Jumpers)
06: Don’t You Ever Get Tired OF Hurting Me (feat. The Time Jumpers)
07: Make The World Go Away
08: I’m Still Not Over You
09: Night Life
10: Crazy Arms (feat. The Time Jumpers)
11: Invitation To The Blues (feat. The Time Jumpers)
12: For The Good Times


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