1957年に発表された、アート・ペッパーの代表作のひとつです。
メンバーはアート・ペッパーをメインに、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、 フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)。当時マイルス・デイビス・クインテットの面々が参加しています。
アート・ペッパーは白人のアルトサックス・プレイヤーですが、意外と粘っこいプレイを聴かせてくれるところが素晴らしい。全般的には、マイルスのバックメンバーとの演奏と言うことがあるのかどうか分かりませんが、メンバーの緊張感と言うか真剣さを感じます。スリリングな演奏とでも言うのでしょうか。この緊張感はジャズの醍醐味の一つと思っているので、私にとっては本作品の大好きな部分です。大好きなポール・チェンバース(当時22歳)のアルコ奏法もしっかりと堪能できます。
もう一つ、本作の大きな特徴として、「音が非常に良い」。1957年の作品ですので、もう60年前の録音ですが、当時の録音技術が素晴らしかったのでしょうか、60年前の音源とは思えません。音の定位も左からサックス、ドラムス、ベース、ピアノと、位置関係がクリアに分かるので、臨場感もあり、良いヘッドホン/イヤホンやスピーカーで聴くと目の前で演奏しているのを聴いているような気持ちになります。ノイズもなく(これはマスタリングによるものかもしれませんが)、録音という面からも名盤といえます。
ちなみに、アルバムの冒頭を飾る “You’d Be So Nice To Come Home To” は、私がヘッドホンやイヤホンを選ぶ時のリファレンス曲の一つにしております。皆さんも是非使ってください。
臨場感、緊張感、そしてメンバーの演奏テクニック、いずれも申し分無く、ジャズを聴こうとする方には必ずお勧めしたい作品です。
Tracks:
01: You’d Be So Nice To Come Home To
02: Red Pepper Blues
03: Imagination
04: Waltz Me Blues
05: Straight Life
06: Jazz Me Blues
07: Tin Tin Deo
08: Star Eyes
09: Birk’s Works
10: The Man I Love
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