脇田もなりの3作目 (2019年発表)。
Especia時代からパワフルなヴォーカルと歌唱力に定評のあった彼女ですが、前2作から更にヴォーカルが磨かれていて、着実にヴォーカリストとしての実力が上がっていることを感じさせます。
アルバム全体を包む雰囲気は、従来通り少し懐かしめのソウル・テイストなポップとなっていて、これはEspecia時代と大きな変化はないのかなと思います。
メインプロデュースは冗談伯爵の新井俊也と言うことも、このアルバムの心地よいポップ感に大きな影響を与えていると思います。
本作の一番のトピックとしては先行でシングルリリースされた「エスパドリーユでつかまえて」ですね。この曲のタイトル、イントロを聴いた瞬間「一十三十一の新曲?」と思ったほど一十三十一の曲っぽいのです。そして作曲はDorian、作詞が一十三十一ということを知り「なるほど」と思った次第(思わずニヤッとしてしまいました) 。そしてこの「Dorian/一十三十一系」の独特な曲の世界を脇田もなりは見事に自分のものとして消化していて、つまりもっとソフトな感じに仕上げてくるのかと予想したのですが、ものすごく良い意味で裏切られたという感じです。こんなところからも脇田もなりの実力を実感するわけです。
その他も佳曲揃いでクオリティの高い本作ですが、その中でも90年代にいわゆる「渋谷系サウンド」の一角であったCOSA NOSTRA出身の佐々木潤・鈴木桃子が参加した2曲、「LOVE TIMELINE」「WHERE IS…LOVE」がなかなか秀逸です。また、淡々と刻まれるリズムに乗ってシンプルな演奏と抑え気味のヴォーカルが心地良い「ハイウェイ」も私のお気に入り曲。全体的にも今までで一番の作品じゃないかと思います。これから一層飛躍してほしいと思うヴォーカリストです。
Tracks:
01: 風船
02: Thinkin’ about U
03: エスパドリーユでつかまえて
04: LOVE TIMELINE
05: やさしい嘘
06: WHERE IS…LOVE
07: Just a “Crush for Today”
08: 恋をするなら
09: ハイウェイ
10: 3MOTION
11: FRIEND IN NEED
12: Passing by
コメントを残す