1983年にリリースされた、R.E.M.のデビューフルアルバムです。実際にはこの前年に “Chronic Town” というアルバムがあるのですが、これはミニアルバムでしたので、フルアルバムとしてはデビュー作となります。
私、この頃はチャート大好き人間で、ビルボードのトップ40に入っている曲は大体聴いていて、逆にそれ以外はあまり興味がなかったのですが、いわゆる「売れてる曲」に少しずつ飽き始めた時期でもありました。この頃から、私にとって少し異質だったUKポップが全米チャートに入り始めてきたからかも知れません。アメリカっぽいロックを求めていた時にたまたまFENで聴いたのがR.E.M.でした。カレッジラジオとか、カレッジチャートという言葉を知ったのもこの頃です。
さてこの “Murmur”、全米チャートでトップ10に入るとか、そういう大ヒット作品ではなく、確か国内盤の発売も当時はなかったので、私は輸入盤を取り扱うレンタルレコード屋さんで借りて聴きました。今思えば、インディーズレーベルだったI.R.S.が日本で流通するための契約がなかったのかも知れません。
その当時の本作の印象は、マイケル・スタイプのヴォーカルは雑誌とかで読んだ通りモゴモゴして何言ってるかよくわからないなあと言うことと、演奏は派手なギタープレイはないながらもメロディアスで、ちょっとだけ翳のあるシンプルなアメリカンロックで結構いいなあと言うことでした。翳があるのにストレートでエネルギッシュに感じた、そんなユニークなバンドでお気に入り作品となったのです。
シングルカットされた “Radio Free Europe” や “Talk About The Passion” といった曲を聴くとよく解ると思いますけど、いわゆるスリーコードのロックではなく、マイナーコードも駆使した独特な雰囲気。これが良かったのです。
それ以来R.E.M.はずっとお気に入りのバンドなのですが(もう随分前に解散してしまいましたが)、願わくば活動再開してほしいなと思うバンドの一つですね。
なお、本作はもともと12曲の収録なのですが、私が持っているCDは1992年リリースの “I.R.S. Vintage Edition” と呼ばれるもので、4曲追加となっています。”There She Goes Again はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1stに収録されていた同名曲のカバーで、残り3曲は本作発売当時 (1983-1984年) のライブ収録です。これを聴くと彼らの演奏レベルの高さ、人気の高さがよく分かります。
01: Radio Free Europe
02: Pilgramage
03: Laughing
04: Talk About The Passion
05: Moral Kiosk
06: Perfect Circle
07: Catapult
08: Sitting Still
09: 9-9
10: Shaking Through
11: We Walk
12: West Of The Fields
13: There She Goes Again
14: 9-9 (Live)
15: Gardening At Night (Live)
16: Catapult (Live)
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