Christone “Kingfish” Ingram / 662

2021年にリリースされた若きブルースマン、クリストーン “キングフィッシュ” イングラムの作品です。彼にとって2枚目のフルアルバムとなります。

1999年生まれの弱冠22歳。というのに、B.B.キングやマディ・ウォータースを思わせる実にぶっといブルースギターと渋いヴォーカルを聴かせてくれるスゴいやつ。
ある意味、衝撃的です。もう何十年もミュージックビジネスにいるかのようなベテランの貫禄さえ感じます。

デルタ・ブルースの故郷とも言われるミシシッピ州のクラークスデール出身というのもスゴい。ブルースを多少知っている方ならご存知の、あのロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売ってブルースギターをマスターしたという伝説の舞台となっているところです。

さて本作、正統派ブルースを中心に据えた楽曲が揃っています。特に 、”She Calls Me Kingfish” や “Your Time Is Gonna Come” みたいなストレートな作品は聴いていて陶酔してしまいますね。聴いていて余裕すら感じます。
その他には “Long Distance Woman” のようなブルースロック寄りの作品、さらには打ち込みのリズムセクションをバックに抑え気味のギターで攻める “Another Life Goes By”、なんとアコースティック・ギターで渋く決める “You’re Already Gone” 、サザン・ソウルの香りを漂わせる “That’s All It Takes” など、ブルースの殻には閉じこもらない柔軟性の高さも示してくれます。

これから何十年とブルース界を引っ張ってくれるプレイヤーがあまり多くない中、この「キングフィッシュ」には大いに期待です。あまりのプレイのカッコよさにしびれること間違いなしです。

なおアルバムタイトルにもなっている “662” は、彼の出身地であるクラークスデール地域の市外局番だそうです。なんとなくそうだろうと思った方も多いかも知れませんが… 豆知識でした。

Tracks:
01: 662
02: She Calls Me Kingfish
03: Long Distance Woman
04: Another Life Goes By
05: Not Gonna Lie
06: Too Young To Remember
07: You’re Already Gone
08: My Bad
09: That’s All It Takes
10: I Got To See You
11: Your Time Is Gonna Come
12: That’s What You Do
13: Something In The Dirt
14: Rock & Roll (Bonus Track)


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