ケツメイシ / ケツノポリス5

2007年8月29日発売の作品。
私が本格的にケツメイシを聴くようになったのはシングル「夏の思い出」で、アルバムとしては前作の「ケツノポリス4」。言ってみたら夏歌からケツメイシを聞き始めた口。従い、コアなケツメイシファンという訳ではありません。

さてこのアルバムですが、まずは最近の彼らのトレンドである夏歌ということで、「また君に会える」「男女6人夏物語」は良い曲だなと思います。
「また君に会える」は、楽曲自体の展開が「夏の思い出」的ですが、やはりイントロからリフレインまでフィーチャーされるギターがとても心地よいのと、何と言ってもPVが今年一番お気に入りなのです。ケツメイシのPVなのかエビちゃんのPVなのかが分からないほど、エビちゃんがフィーチャーされまくっちゃっているのです。
PVということでいうと「男女6人…」のPVは、「笑顔の硬い杉山哲太が主演を張ったトレンディドラマ(死語)」っぽい作りになっていまして、これまたストーリーが甘酸っぱいです。

前作「ケツメイシ4」での「ドライブ」がこれら2曲だとしたら、「東京」「さくら」にあたる曲が「旅人」でしょうか。このミドルテンポの、寂しさを覚える曲もここ最近のケツメイシのトレンドですが、この「旅人」もなかなかいい曲だと思います。

若干変わった作りの曲、「4」で言えば「三十路ボンバイエ」的なのが「ケツメイシ工場」。98年のグループ結成からの活動を工場に例えて、ただ文字にした曲なのですが、この辺はコトバの選び方が秀逸。曲の最後の、
 河野部長が種まいて
 大塚専務が切り裂いて
 吉田社長が拾いだして
 パート田中 また切り裂くの
ってところがですね、サラリーマンにとっては内輪ネタをカラオケでやるときに格好の材料ではないかと思います。しっかり曲を覚えて、この最後のフレーズを他の人の名前に置き換えてみても良いかも。(ただし職場の人間関係を壊さぬように)

今回ちょっと目新しいなと感じたのは、冒頭の「スタート」で、前作ではあまり聞かれることのなかったエレクトリックを全面に押し出したような曲調になっています。最近のケツメイシファンには肩すかし的ではありますが、この曲を冒頭に持ってきているのが彼らの新しき挑戦、という気もします。

全体的には前作を踏襲した感じが全面に出ていて、人によってはちょっと飽き気味になってしまうかもしれませんが、全体の曲のレベルは決して下がってないし、ケツメイシ特有のポップさ、おもしろさ、美しさが備わった内容になっていると思います。
ジャンル的にはラップとかヒップホップとかに分類されている彼らですが、やはりその域からは離れつつあって、良質の新しいタイプのJ-POPに区分けしても良いと思っています。

Tracks:
01: スタート
02: また君に会える
03: 歌謡い
04: 男女6人夏物語
05: サマーデイズ
06: ケツメイシ工場
07: 恋の終わりは意外と静かに
08: ハッピーバースデー
09: 夢の中
10: トレイン
11: VS
12: ライフ イズ ビューティフル
13: 旅人
14: 君色
15: さよならまたね


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