1981年発表のAC/DCによる大ヒットアルバム。ブライアン・ジョンソンをリードヴォーカルに迎えた第2作です。商業的にも成功したアルバムの一つで、彼らにとって初の全米No.1ヒットとなったアルバムですね。私にとってもAC/DCの数あるアルバムの中で “Back In Black” と並び好きな作品です。
当時、どちらかというとAORのようなソフトなものに凝っていて、ヘビメタ・ハードロック的な音楽をあまり聴いていなかった私は、当初このアルバムには見向きもしませんでした。しかし、同時にトップ40好きだった私にとっては、全米Top 40ヒット直前にまでヒットした “Let’s Get It Up” (本作にも収録) の存在は気になっていました。
あのダミ声と、何と言ってもどっしりとしたブルース的な雰囲気、そしてシンプルでヘビーなギターのリフ、そしてAC/DCと言えばアンガス・ヤングのヘッドバンギング。こういった彼らのパフォーマンスを知り、私は興味本位でこのアルバムを聴き始め、程なくして大好きになったのです。
“Let’s Get It Up” だけでなく、本作に収められている曲のほとんどは、決してギターテクニックを人にさらけ出すような速弾きプレイはあまりなく、ヘビーなギターリフが中心となっています。当時は速弾きを競い合う、みたいな風潮がなかったわけでもないので、そんな中ちょっと雰囲気の違うAC/DCの方を進んで聴いていました。
気に入っている曲は、前述の”Let’s Get It Up”と、アルバムタイトル曲でもある “For Those About To Rock (We Salute You)”。この曲はアルバムの冒頭を飾っている曲ですが、途中にブライアン・ジョンソンの “Fire!!” の掛け声とともに大砲をぶっ放すところなどが出てきます。後半にかけてアップテンポになってくるところなど、アルバムの最初から盛り上げて行くこの構成が好き。ライブでも大盛り上がりになる曲らしい。アルバム通して聴いてみても、いや素晴らしい。
AC/DCというバンドの前提を崩す訳ではないですが、ボン・スコット〜ブライアン・ジョンソンの流れを汲む、あの独特のヴォーカルをあまり好まない人が多いのも事実で、それは仕方ないことだと思いますけど、ブルースの影響の強いハード・ロックの中では、彼らのBlack In Blackとともに押さえてほしい作品だと思います。
あと余談ですが、本アルバムのアメリカでの規格番号 (いわゆるアルバム番号) は、”Atlantic 11111″ とめっちゃゾロ目です。
Tracks:
01: For Those About To Rock (We Salute You)
02: Put The Finger On You
03: Let’s Get It Up
04: Inject The Venom
05: Snowballed
06: Evil Walks
07: C.O.D.
08: Breaking The Rules
09: Night Of The Long Knives
10: Spellbound
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