1983年にリリースされたリッキー・リー・ジョーンズのミニアルバムです。
邦盤タイトルは、「マイ・ファニー・バレンタイン」。そうあの名曲です。
このアルバムは、もちろん当初レコードとして発売されましたが、通常の30センチ (12インチ) のLPではなく、我々の世代にとっては中途半端な、でも更に古い人には非常に懐かしい25センチ (10インチ) 盤で発売されました。
当時、一部のレコードプレーヤーには、自動的に30センチ盤の外周の位置に針が下りるようになっているものがありましたが、25センチ盤だと着地失敗するので手動で針を下ろさなければならなかったみたいです。
アルバムの内容は、日本語のアルバムタイトルからも想像できる通り、懐かしいスタンダード曲が中心となっています。シンガーソングライターである彼女にしては珍しいコンセプトで、当時それだけでも話題になりました。一部彼女のライブ演奏からのテイクも入っています。
“Lush Life”、”My Funny Valentine”あたりはジャズファンでなくてもお馴染みの曲ですね。雰囲気はなかなか良くて、 “My Funny Valentine” では彼女のピアノ一本の演奏となっていて、とても美しい仕上がりになっています。ちなみにこの2曲は、1982年にロサンゼルスの有名ライブハウス Roxy で収録されたものです。
60年代のソウル・クラシック “Under The Boardwalk” は、トロピカルで少しルーズな雰囲気が彼女っぽいと言えばそんな感じで、また良いです。
“Rainbow Sleeves” はトム・ウェイツの作品。この時期、彼女がトム・ウェイツの作品を取り上げるんだと思ったら、録音されたのは1978年。まだ彼女がアルバムデビューする前であり、彼と交際関係にあった時期のものなのでしょうね。
非常に悲し気なバラード。彼女の繊細なヴォーカルが心を打ちます。
“Something Cool” は、1979年にアムステルダムで収録されたライブ曲で、発売当時カセットにのみに収録されていた貴重なテイクでしたが、後のCD化の折にも収録されることになって良かったと思います。
Tracks:
01: Lush Life
02: Letter From The 9th Ward / Walk Away Renee
03: Hey, Bub
04: My Funny Valentine
05: Under The Boardwalk
06: Rainbow Sleeves
07: So Long
08: Something Cool
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