ドン・ヘンリーの1984年作品、イーグルス解散後のソロ2作目です。前作 “I Can’t Stand Still” と同様、プロデュースはダニー・コーチマー。
本作では前作と比べ、より多彩なゲストが参加しているのが注目される。
”The Boys Of Summer” ではマイク・キャンベル、”You Can’t Make Love” ではリンジー・バッキンガムの、いかにも彼ららしい独特なギタープレイが聞けます。また、アップテンポなロックチューン “Man With The Mission” でのチャーリー・セクストンによる若々しいギターソロも聴きどころです。
R&B色の強いスローテンポの “You’re Not Drinking Enough” でバックコーラスを聞かせるのはサム・ムーア。もちろん、R&Bデュオのサム&デイヴのサムのほうです。名曲の呼び声高い “Sunset Grill” での分厚いシンセはマイケル・ボディッカーが担当しているが、このアレンジは、あのランディ・ニューマンによるものです。
と、参加アーティストを中心に書いてきていますが、イーグルスのメンバーがまったく参加していないのは興味深いと思います。「元イーグルスのドン・ヘンリー」ではなく、ドン・ヘンリーという一アーティストによる作品であることがとても協調されているような印象です。
全体的な音の印象としては、ドン・ヘンリーらしい、R&Bテイストの作品が中心となっていて、彼のファンであれば絶対に気に入るであろう出来映えとなっております。とりわけ、夏を題材にした曲では超名曲と言われている “The Boys Of Summer” は、歌詞・曲・PVどれをとっても夏の切なさをこれでもかと感じさせられる強いインパクトを持った名曲ですし、”Sunset Grill”も同様ですね。
また個人的な好みとしては、これら2曲以外にもスマッシュヒットとなった “Not Enough Love In The World” や、”Land Of The Living” と言った曲での、ゆったりとした余裕のあるパフォーマンスはとてもリラックスできるもので、気に入って良く聴いています。
正直、前作 “I Can’t Stand Still” では、イーグルスからの脱却というようなメッセージを感じたものの、アルバム全体で見たときに少し中途半端な印象もありました。そのため、今一つまとまりに欠けたような気がしたのですが、本作では、良い意味で肩の力が抜けた「まとまり感」があって、アルバムとしては聴きやすい作品となったと思います。
Tracks:
01: The Boy Of Summer
02: You Can’t Make Love
03: Man With A Mission
04: You’re Not Drinking Enough
05: Not Enough Love In The World
06: Building The Perfect Beast
07: All She Wants To Do Is Dance
08: A Month Of Sundays
09: Sunset Grill
10: Drivin’ With Your Eyes Closed
11: Land Of The Living
コメントを残す