土岐麻子 / Summerin’

2008年夏に発売された土岐麻子のミニアルバム (EP)。
“Summerin’” というアルバムタイトルから想像がつくように、爽やかさに溢れた曲が多くて気分が良くなります。さあ、みんなCD持って夏の空に向かって飛び出そう!という感じのする作品。まず、もしこのアルバムをお持ちでないなら速攻購入して、今年の夏は必ず外に持って出ましょう。

さて、アルバムの中身ですが、全7曲のうち5曲がカバー曲、2曲がオリジナルとなっています。

まず冒頭の “LIBERTINE” 。これはオリジナル曲ですが、今にでも外に飛び出したくなる爽快さ、キレの良いリズム、転調の多いユニークなメロディが秀逸です。

続いて、真心ブラザーズの名作と言われている「サマーヌード」、更に松田聖子の「小麦色のマーメイド」と続きます。「サマーヌード」は、夏独特の開放感や、夏の夜の恋と言ったドキドキ感がたまらない。つい若い頃を思い出しますね…。「小麦色のマーメイド」は正統派ポップなアレンジで心地よすぎます。松田聖子のオリジナルバージョンはかなりいいと思っていたのですが、それを確実に超えています。そして土岐麻子のヴォーカルがカワイイ!

そして洋楽2曲。フォー・トップスの “Reach Out, I’ll Be There” とマドンナの “La Isla Bonita” 。両方とも意外な選曲ですよね。
“Reach Out, I’ll Be There” はオリジナルのソウルからは少しポップ寄りのアレンジになっていて、彼女のヴォーカルの中にある「かわいらしさ」が一番発揮されている作品。ポップ寄りと書いたが、モータウン調のアレンジは忘れられてません。
“La Isla Bonita” も意表をついてます。そしてこれはボサノバ調と言っていいんでしょうか。ジャズ的なアレンジと言った方がいいのでしょうか。アコースティックギターを中心にしたしっとりした仕上がりになっています。アルバム全体のからっとした雰囲気からはやや趣を異にするのですが、気持ちのよいアレンジとヴォーカルではありますよ。

“Smilin’” はオリジナル曲。このタイプの曲に私は非常に弱いんです。ギターのカッティングとバックから聞こえてくるフリューゲルホーン。そしてミッドテンポと土岐麻子のヴォーカルが気持ち良いです。
川口大輔のメロディ、好きですわー。

最後の締めくくりは大貫妙子の作品「都会」。数多い大貫妙子の作品の中でも好きな曲なのですが、原曲の若干跳ねた雰囲気とは違ってピアノ中心のしっとりした美しいアレンジになっています。「その日暮らしはやめて 家へ帰ろう」というフレーズに、都会の雑踏から離れたい気持ちにさせられる、そんな曲です。

前半は夏のかんかん照りの中で聴き、後半は疲れて家路につくときに最適。ということで、是非是非お聴き頂きたいです。絶対お勧めです。

Tracks:
01: LIBERTINE
02: サマーヌード
03: 小麦色のマーメイド
04: Reach Out, I’ll Be There
05: La Isla Bonita
06: smilin’
07: 都会


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