ニューオリンズが世界に誇る、世界一のライブバンド、ネヴィル・ブラザースの2004年発表作品です。
正直、1992年発表の “Family Groove” 以降、ネヴィルスの新作は経験していませんでした。別に嫌いになったとかそういう訳ではなくて、彼らが80年代までに発表した作品で十分過ぎる程の感動を得られていたためだと思います。彼らの発表作品のリストを見てみると、 “Family Groove” 以降90年代はライブ含めて3作がリリースされているようで、それなりのペースでアルバムは作っていたことになります。
そんな訳で、本作は21世紀になって初めての作品であり、現時点での最新作です。ここ5年間アルバムリリースがなく心配ではないことはありませんが、一方精力的な活動は耳にしているので、気にする必要はなかったのでしょう。
いきなり話がずれてしまいましたが、本作品。前作から5年振りとなる作品なのですが、相変わらずのニューオリンズファンク振りには感動すら覚えます。
「ファンク爆弾落下!」
一言でいうと、こんな感じです。
冒頭の “Walkin’ In The Shadow Of Life” から健在。全く衰えることもなく、グイグイとリスナー達を引っ張ってくれます。うねり、うねりの連発で、こっちの体力が衰えてしまうのではないか、と言う程です。
特に3曲目 “Can’t Stop The Funk” でのかなり派手なコンテンポラリーファンク (一瞬P-ファンクと聴き間違えてしまううねうねのベースとジェイソン・ネヴィルのラップが印象的)、その次のテンプスのカバー曲 “Ball Of Confusion (That’s What The World Is Today) ” でのダイナミックな分厚いコーラスとバックに流れるセカンドライン、そしてその次の “Kingdom Come” (これはいかにもシリルの作品と言う、パーカッシブでメッセージ色の強い曲、しかもボーノとの共作らしい) あたりの展開は圧巻です。
この辺の流れはとてもネヴィルスらしい曲の流れで、やっぱりネヴィルスファンとしてはニヤッとして身体がウネウネ動いてしまいます。”Can’t Stop The Funk” のようなP-ファンクの様な雰囲気を持つ曲が多いのは、今回のアルバムの特徴でしょう。
あと、ここ数作では大概収められていた アーロン・ネヴィルのソロヴォーカルによる甘〜い曲が収められていません。この類の曲は嫌いではないのですが、ネヴィル・ブラザースのアルバムのアクセントとはいえ、こういう曲は彼のソロアルバムでも堪能できるので、そっちを聴けばいい、と思っていたものです。
それにしても、いつも思うのだがどうして彼らはこれだけの世代を超え、なおここまで完成度の高い演奏ができるのか、本当に不思議です。
ライブバンドとしての実力をきっちりと発揮されているのと、やっぱり「家族」であることによる一体感なのでしょう。改めて血のつながりの強さを感じさせる名作です。
Tracks:
01: Walkin’ In The Shadow Of Life
02: Poppa Funk
03: Can’t Stop The Funk
04: Ball Of Confusion (That’s what The World Is Today)
05: Kingdom Come
06: Middle Passage
07: Junkie Child
08: Street Are Callin’
09: Your Life (Fallen Soldiers)
10: Scrape Scat
11: Carry The Torch
12: Brothers
13: River Of Babylon
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