David Sanborn / Upfront

デヴィット・サンボーンのの1992年リリース作品です。

1987年の “A Change Of Heart” あたりから始まった、マーカス・ミラー系のソウル〜ファンク・ジャズ路線を一気に加速させた感のある作品です。

もともとは「泣きのサンボーン」などと言われ、メロウなサウンドで文字通り「泣く」ようなアルトサックスの音色で日本でも人気があったのですが、実際はこのファンキーな作品を彼のベストアルバムと評する人が多いです。

“Snake” でのスティーヴ・ジョーダンの激しいドラムス、リッキー・ピーターソンのオルガンによるイントロ、そして御大サンボーンの登場。
めっちゃファンキー。確かに「泣きのサックス」だが、かっこいい。呼吸のすべてを使って吹きまくるサンボーン。

同様の雰囲気は “Hey” でも聴けます。ここでのサンボーンもファンキーに吹きまくります。そのかっこ良さったらこの上ありません。

この類のファンクに疲れたら、”Crossfire”。ここでブルージーなギターを聴かせるのは、何とエリック・クラプトン。その他にもランディ・ブレッカーやハイラム・ブロックも参加しております。

また本作には異色なナンバーも収録されています。1966年にジョー・キューバ・セクステットがヒットさせたラテンナンバー、”Bang Bang”です。バックのヴォーカルには、このアルバムに参加しているミュージシャンが一通り参加。原曲に結構忠実で、とても楽しそうなナンバーとなっています。

そんなわけで、ファンクを基調にしながらも様々なタイプの音楽を聴かせてくれる盛りだくさんの本作品。
言うまでもなくマーカス・ミラーとスティーヴ・ジョーダンが大活躍で、サンボーンの持っているファンキーな部分を見事に表現しています。ひとりでに身体が動き出してしまう、そんな楽曲でいっぱいです。
本作と次作の “Hearsay” の2枚あたりが90年代のサンボーンの代表作と断言して良いでしょうね。ノレます。

Tracks:
01: Snakes
02: Benny
03: Crossfire
04: Full House
05: Soul Serenade
06: Hey
07: Bang Bang
08: Alcazar
09: Ramblin’


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