イエロージャケッツによる2008年発表の17作目のアルバム。
アルバムジャケットにも明記されている通り、本作ではマイク・スターンが参加アーティストとしてしっかりクレジットされております。従い、このブログでのアーティスト表記は、正式にはジャケットにもある通り “Yellowjackets featuring Mike Stern”とすべきなのかもしれない。でも、まあいいでしょう。
ちなみに、マイク・スターンは他のイエロージャケッツメンバーと同世代の1953年生まれ。キャリアはブラッド・スウェット・アンド・ティアーズからスタートさせ、その後マイルス・デイヴィスやジャコ・パストリアスやマイケル・ブレッカーなどと言ったミュージシャンと多数共演してきた、テレキャスターで弾きまくるタイプの個性強めのジャズ・ギタリストです。
当然のことながら、本作でのマイク・スターンの活躍ぶりは、クレジットされているだけのことはあって「浮いてる」とまでは決して言わないが、かなり強烈な主張をしているように思います。イエロージャケッツのバッキングが秀逸なのか、あるいは大人し過ぎるのかは分からないですが、いずれにしても主役はマイク・スターンのギター!という内容と言っても過言ではないほど、大々的なフィーチャリングとなっております。
“Country Living” は、一番最初の音から一番最後の音までしっかりイコライズされたギターサウンドでソロの弾きまくり!なんである。この主張具合なんかはとってもマイク・スターンらしいし、もちろん彼の弾くギターソロはジャズギターの中にとどまることなく、とても自由でカッコイイです。
一方、本来はメインであるはずのイエロージャケッツの演奏はとっても堅実で、しっかりとマイク・スターンをサポートしていて、それはそれで非常に好感が持てるものです。かなり変則的なドラミングの曲があったりして、ドラムス好きとしてはニヤッとさせられる。
(余談ですが、イエロージャケッツでは一番地味なメンバーと思われるドラマー、マーカス・ベイラーが結構好きだったりする私です)
変則なドラミングと言えば、”Double Nickel” での変則リズム(うまく説明できません、文才なくてごめんなさい)はかなり評価が高いものと言って良いのではないかと思います。紹介した2曲と冒頭の “Falken’s Maze” あたりは聴き所かなと思います。
彼らの作品の中では秀作のひとつと言えると思いますので、特に初心者の方にはお勧めしたいですね。ただしこれに夢中になってしまうと、他の作品が大人しすぎると感じてしまうかもしれません。心地よさ優先を求めるのではあれば、アルバムの錯誤を飾る “Lazaro” がいいなと感じるのではないでしょうか。
Tracks:
01: Falken’s Maze
02: Country Living
03: Double Nickel
04: Dreams Go
05: Measure Of A Man
06: Yahoo
07: I Wonder
08: 3 Circles
09: Claire’s Closet
10: Lazaro
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