1982年にリリースされた、スティーヴィー・ワンダーの2枚組ベストアルバム。
スティーヴィー・ワンダーのベストアルバムは星の数ほどあり、どれにしたら良いのか迷ってしまいます。
特に、日本編集のベストアルバムは、妙にバラード寄りの選曲だったり、日本のCMで使用された曲を特別に収録しています!とか、私のイメージするベストアルバムからはズレた選曲になっていることが多いのです。
その点、このアルバムはなかなかバランスが取れております。時期的には、それこそ数多あるデビュー当時 (1960年代前半) のモータウンからの選曲ではなく、1970年代に入りタムラレーベルから発表されたアルバムからの選曲となっています。
彼がかなり一般的なオーディエンスに受け入れられるようになった “Superstition” (迷信) 以降の選曲になっているので、ボリューム面も含め、なかなか良い内容になっています。
さて収録された16曲のうち、新曲が4曲収録されています。発売当時のLPのA面からD面までのそれぞれの最後に1曲ずつ収録されております。
大ヒットした “That Girl” がそのひとつ。この曲を初めて聴いた時、イントロのドラムマシーンによるリズムにゾクゾクっとしたことを今でも思い出します。
その他、 “That Girl” ほどのヒットにはなりませんでしたが、ステーヴィー珠玉のバラードと言っても良い “Ribbon In The Sky” なんかも実に素晴らしい。
そして何と言ってもアルバムの最後を飾る “Do I Do”ですね。
全米ではトップ20に入るヒットとなり、後にリリースされる他のベストアルバムにも収録はされているんですが、実はいずれもシングルバージョンなのです。オリジナルのロングバージョンが収録されているのは、どうやらこのアルバムだけのようです。
その長さ10分半! しかし長さは感じない、なかなか緊張感のある曲になっております。中でも、間奏に入りスティーヴィーの紹介に続き演奏されるディジー・ガレスピーのトランペットソロが感動ものです。このときディジーは御年65歳。決して長いソロではないのですが、頬を膨らませながら演奏するディジーの表情が浮かんでまいります。
名曲と言われている “Lately” が入っていなかったのは残念ですが、それをカバーするに余りある見事な内容であることは間違いないですね。今でもスティーヴィーがリリースしたベストアルバムの中では最高の作品だと思います。
余談ですが、このアルバムタイトルを和訳すると、「スティーヴィー・ワンダーオリジナルの音楽の水族館 I」となるのですが、「II」はリリースされていないですね。果たしてリリースされる日は来るのでしょうか…?
Tracks:
[Disk 1]
01: Superstition
02: You Haven’t Done Nothin’
03: Living For The City
04: Front Line
05: Superwoman (Where Were You When I Needed You)
06: Send One Your Love
07: You Are The Sunshine Of My Life
08: Ribbon In The Sky
[Disk 2]
01: Higher Ground
02: Sir Duke
03: Master Blaster (Jammin’)
04: Boogie On Reggae Woman
05: That Girl
06: I Wish
07: Isn’t She Lovely
08: Do I Do
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