Original Motion Picture Soundtrack / Urban Cowboy

1980年に公開された、ジョン・トラボルタ主演の映画 “Urban Cowboy” のサウンドトラックです。18曲収録で、LPは2枚組でリリースされましたが、CDでは1枚にまとまっています。
昨年アメリカに出張した際CDショップで見かけたが$19くらいし、購入を断念。その後iTunes Storeで購入しようとして$11.99だったので少し心が揺らいだがぐっと我慢。
そうこうしているうちにAmazonで820円で発見。即買いしました。

この映画はアメリカ・テキサス州ヒューストン郊外を舞台にしており、またバックを流れる音楽がカントリーミュージックを中心としたものであったためか、日本ではほとんど注目されなかったはずです。しかし、「サタデーナイトフィーバー」「グリース」と大ヒットを連発してきたジョン・トラボルタの作品と言うことで、米国ではかなりヒットしました。
私もこの映画は好きで、最近でも時々深夜のテレビで放映されているのを見ます。若き日のデブラ・ウィンガーがかわいくて魅力的でした。

さてさて、サウンドトラックの話。本作は米国で大ヒットし、このサウンドトラックをきっかけにしてカントリーミュージックの一大ブームが起きました。
その中心は、本作にも登場したジョニー・リー。彼の一世一代の大ヒット曲、”Lookin’ For Love”は、ビルボードのカントリーチャートで1位になったのはもちろん、全米ポップチャートでも6位まで上昇。楽曲としてはそれほど衝撃的なものではなく、むしろ従来のカントリーソングから若干ポップの要素を加えた程度のものでしたが、この曲はロック/ソウルが入り乱れていたポップ・チャート界に一気に風穴を開けることになりました。これをきっかけにして、ケニー・ロジャース、ロニー・ミルサップ、ジュース・ニュートン、アラバマなどなど多くのアーティストの曲がポンポンと全米ポップチャートの上位まで上昇するという「珍現象」が起きました。

しかしながら、このブームは売る側の思惑が強過ぎたためか、あまり人々に長く浸透することなく、いつの間にか去ってしまいました。

とはいえ、このアルバムに影響を受けてカントリーミュージックを聴き始めた人たちも結構多いのではないでしょうか。あのジョン・トラボルタがカウボーイハットをかぶり、フィドル全開のウエスタンスイング調の曲に合わせてダンスする姿は衝撃だったですから

この映画の舞台となった巨大ウエスタンパブ、GIlley’s のオーナーでもあるミッキー・ギリーがベン・E・キングをカバーした有名曲 “Stand By Me” や、当時一番脂ののりきってた チャーリー・ダニエルズ・バンドの “The Devil Went Down To Georgia” (カントリー楽曲では初のラップ??) などは大ヒットしましたし、ポップ・フォーマットのラジオ曲でもかかりまくっていました。

ただ意外なことに、本作に収められた作品の中でカントリー系の曲はせいぜい半分くらい。それ以外は、超有名アーティストによるアメリカン・ロックなのです。

私にとって本作は、カントリーミュージックではなく、カントリーミュージック以外のアメリカ音楽全般に目覚めてしまった記念すべき作品なのです。
当時私は、毎日ほぼカントリーミュージックしか聞いていなかったのですが、本作に収められているジミー・バフェット、ジョー・ウォルシュ、ボブ・シーガーと言ったアーティストのロックンロールナンバーにしびれ、当時まだ有名になりかけだったボニー・レイットの少しハスキーな歌声、ダン・フォーゲルバーグの乾いた西海岸な感じの歌声にしびれ 、そしてボズ・スキャッグスの艶っぽいヴォーカルにしびれたのです。なお、本作品に収録されているボズ・スキャッグスの “Look What You’ve Done To Me” は、後にシングルバージョン、ボズのアルバム収録バージョンといくつかあるのですが、一番しっとりとシンプルに仕上がっている本作のバージョンがベストだと思います。

当然本作に収録されたカントリー楽曲も大好きなわけで、このサントラは何度聞いても飽きません。参加しているアーティストも大物・実力派揃い。そう言う意味では、この時期の代表的な作品でしょう。
1980年頃のアメリカの音楽シーンを知るためには、このサントラは絶対に外せないと思いますので、ぜひ探し出して聴いてみてほしいです。

Tracks:
01: Hello Texas (Jimmy Buffett)
02: All Night Long (Joe Walsh)
03: Times Like These (Dan Fogelberg)
04: Nine Tonight (Bob Seger & The Silver Bullet Band)
05: Stand By Me (Mickey Gilley)
06: Cherokee Fiddle (Johnny Lee)
07: Could I Have This Dance (Anne Murray)
08: Lyin’ Eyes (Eagles)
09: Lookin’ For Love (Johnny Lee)
10: Don’t It Make Ya Wanna Dance (Bonnie Raitt)
11: The Devil Went Down To Georgia (The Charlie Daniels Band)
12: Here Comes The Hurt Again (Mickey Gilley)
13: Orange Blossom Special/Hoedown (Gilley’s Urban Cowboy Band)
14: Love The World Away (Kenny Rogers)
15: Falling In Love For The Night (The Charlie Daniels Band)
16: Darlin’ (Bonnie Raitt)
17: Look What You’ve Done To Me (Boz Scaggs)
18: Hearts Against The Wind (Linda Ronstadt with J.D. Souther)


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