Neil Young / Freedom

ニール・ヤング、1989年リリースのアルバムです。

ご存知の方も多いかもしれませんが、1980年代のニール・ヤングは迷走した10年でした。テクノ、ロカビリー、どカントリーなどなど。わざと売れないレコードを作っているとレコード会社から訴えられたほど。そんなこともあり、GeffenからRepriseに移籍し、「来日記念の予習盤」として日本とオーストラリアで限定発売されたミニアルバムを経てリリースされたのが本作です。

聴きどころはやっぱり “Rockin’ In The Free World”。アルバムの1曲目(アコースティックバージョン、ジョーンズ・ビーチでのライブ収録)と最後(エレクトリックバージョン)に持ってくるという構成は、まさに “Rust Never Sleeps” における “My My Hey Hey (Out Of The Blue)” ~ “Hey Hey My My (Into The Black)” のそれと非常に似ています。

全般的には、前作のミニアルバムにも収録されていた “Don’t Cry”、”Eldorado”、1963年のドリフターズによるヒット曲のカバー “On Broadway” など、ヘビーなロックンロールが中心になっています。とにかく爆音。ディストーションをヘビーに利かせ、髪を振り乱してラフにギターをかき鳴らすニール・ヤングの姿が浮かぶようです。
これら一連の曲は、90年代以降台頭してきたグランジ・ロックのアーティスト達にこぞってインスパイアされていますね。

とは言っても、そうは一筋縄でいかないところがニール・ヤング先生。”Hangin” On A Limb” は、リンダ・ロンシュタットがバックヴォーカルで参加している、透明度の高いアコースティックな作品。この2人のヴォーカルだから当然美しい。美し過ぎです。

ニール・ヤングは本作品のリリース後しばらくの間、”Harvest Moon” を除き、爆音ロックンロール作品をコンスタントにリリースしました。恐らく、本作は迷走していた彼自身の軌道修正作品なのでしょう。
このアルバムは、彼にとっては重要な意味を持つアルバムと言えるでしょうね。

個人的には1988年の来日コンサート(これもすごかった!)の後、待ちに待ったアルバムとして印象に残っていて、今でもかなりの頻度で聴く作品です。数あるニール・ヤングのアルバムの中でも最高峰の超名盤です。

Tracks:
01: Rockin’ In The Free World (Live acoustic)
02: Crime In The City (Sixty To Zero Part I)
03: Don’t Cry
04: Hangin’ On A Limb
05: Eldorado
06: The Way Of Love
07: Someday
08: On Broadway
09: Wrecking Ball
10: No More
11: Too Far Gone
12: Rockin’ In The Free World (Electric)


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