Grateful Dead / RFK Stadium, Washington, DC, 6/10/73

グレイトフル・デッドがライブパフォーマンスで圧倒的な存在感を示し始めていた1973年のツアー。6月30日にワシントンD.C.のRFKスタジアムで行われたライブが完全収録された「公式盤」のリリースです。50年経った2023年に新たにリリースされるというのも、感慨深いと言うか、ありがたいものがあります。

このアルバム、すごいのはそのボリューム。CD4枚組、アナログLPだと8枚組。全31曲収録、時間にして4時間41分。聴き始めから聴き終わりまで、新幹線だと東京から博多まで、飛行機だと関空から香港の手前まで行ってしまうという超長丁場なライブとなっています。

この長丁場、通して聴くのはかなり体力と精神力が必要になるのですが、ここで演奏される楽曲はリラックスできたり緊張感のあるものだったりと、思ったよりも緩急のある展開で、飽きさせることはないです。
彼ららしく、なんとなくいつの間にか曲が始まって、徐々にバンドとしての音がまとまってくるという、あの独特な雰囲気が何故か良いんですよね。個人的には、やっぱりどことなくフワーッと浮き上がっているんじゃないかという独特の雰囲気を醸し出してくれる26分間にわたる「Dark Star」が本当にたまらないほど好きです。
(ちなみにこの「Dark Star」はライブでの演奏時間が長いことでよく知られているのですが、1968年にシングルとしてリリースされており、その収録時間は2分44秒というのも笑えますね)

CDで言う4枚目は「サード・セット」と呼ばれていますが、同日のコンサートでコ・ヘッドライナーとして演奏したオールマン・ブラザース・バンドからディッキー・ベッツとブッチ・トラックスが参加するというものすごく贅沢な展開になり盛り上がります。このセットだけロックンロール大会っぽい演奏が聴けるのがなんか面白いです。エルヴィス・プレスリー、バディ・ホリー、チャック・ベリーなどのカバー曲が多いからでしょうかね。
最後はお決まりと言っても良い「ジョニー・B・グッド」で終わるこのライブ、満腹感がすごいんですが、結果的にはすごく楽しめた作品でした。

それにしても、この50年前のライブ。50年も前の作品なのに録音状態が素晴らしい。
これはレコーディングに関わったプロデューサー、そしてそれを音源化のためにマスタリングをされたエンジニアなど、制作の皆さんの努力の賜物ですね。もう見ることのできないグレートフル・デッドのライブ、今でも聴けることに感謝です。

Tracks:
[Disc 1]
01: Morning Dew
02: Beat It On Down The Line
03: Ramble On Rose
04: Jack Straw
05: Wave That Flag
06: Looks Like Rain
07: Box Of Rain
08: They Love Each Other
09: The Race Is On
10: Row Jimmy
11: El Paso
[Disc 2]
01: Bird Song
02: Playing In The Band
03: Eyes Of The World
04: Stella Blue
05: Big River
06: Here Comes Sunshine
[Disc 3]
01: Around And Around
02: Dark Star
03: He’s Gone
04: Wharf Rat
05: Truckin’
06: Sugar Magnolia
[Disc 4]
01: It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
02: That’s All Right
03: Promised Land
04: Not Fade Away
05: Goin’ Down The Road Feeling Bad
06: Drums
07: Not Fade Away, Pt.2
08: Johnny B. Goode


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