2009年に発表された、ボブ・ディランの33作目のスタジオアルバム。
デビュー47年目。もう神格化された人っていう印象もありますが、目をつぶって黙って聴く大人のロックです。
冒頭の “Beyond Here Lies Nothin’” のロス・ロボスっぽさに一瞬驚きましたが、案の定ロス・ロボスの絵デヴィッド・イダルゴがバックを務めていますこれ以外の曲でも、ロス・ロボスが持つルーツロック、それもかなりブルース寄り的な部分を持った全10曲、どれも他の人では同じように表現はできない、ありきたりな言葉をあえて使うなら「渋い」曲が続くんである。「文句あるなら言ってみ。」と言われているかのような貫禄。
全般的には私の大好きなブルース色の強いロック調の曲が多いのと、シンプル、かつ味のある演奏が満喫できるので、とても好みの内容になっています。ボブ・ディランの声は、もうかなり枯れて来ちゃってますが、この枯れた味がたまらなくいい。私自身もそんな歳になってきたのでしょうか。
私が個人的に一番気に入ったのは、”If You Ever Go To Houston”。バックのアコーディオンとゆったりしたスネアに乗せた彼のヴォーカルは、人生について朗々と歌い上げているのかと最初思ったのですが、よくよく歌詞を聴いてみると、「ヒューストンに行ったら右側を歩け/ポケットに手を入れてガンベルトをきっちりと締めろ」みたいな歌だったりするのですね。
全10曲というのは少ないかもしれない。合計時間も46分と、昔のレコード時代の長さと言える。けど、聞き応えは十分。まだまだこのじいさん(失礼)は当分の間ロックできるぞ!と確信できる作品でした。
なおご参考までに、このアルバムはビルボード誌のトップアルバムチャートで全米No.1を記録しました。なんて懐の深い国なんだ、アメリカは。
Tracks:
01: Beyond Here Lies Nothin’
02: Life Is Hard
03: My Wife’s Home Town
04: If You Ever Go To Houston
05: Forgetful Heart
06: Jolene
07: This Dream Of You
08: Shake Shake Mama
09: I Feel A Change Comin’ On
10: It’s All Good
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