ブランフォード・マルサリス・カルテットの3年ぶりの新作です。
2010年代になって若干ペースは落ちていますが、それでも長い間にわたりコンスタントに新作をリリースしてくれる彼ら、現在のモダンジャズ界において一番ポピュラーで、かつオーソドックスなアコースティックジャズを聴かせてくれる人たちだと思っています。
クレジットを見ると、本作はオーストラリアのモナシュ大学にある Alexaner Theatreでの録音とあります。ライブ収録という感じでもないので、シアターでの一発録りによる録音ではないかと思われます。
本作に収録された7曲はいずれも新作、また全ての曲がメンバーのいずれかによるものとなっています。
私は結構サックスのアグレッシブな演奏が好きで、本作品ですと “Nilaste” や “The Windup” のような、緊張感の高い走り回るような感じの曲がとても気に入っています。しかし “Cianna” のような、ブランフォードのどっしり落ち着いたプレイもなかなか。じっくりと聴かせてくれます。また、”Snake Hip Waltz” はちょっと滑稽な感じもする演奏でアルバムの中でも若干異色な感もあります。だからといって、作品が散漫になることなく、オーソドックスな中でもいいバランスを保っているという印象です。
最近はこの種の落ち着いて聞けるジャズの新作が少なくなってきていると思いますので、おススメ作品です。
なおカルテットのメンバーは、
ブランフォード・マルサリス(テナーサックス、ソプラノサックス)
ジョーイ・カルデラッツォ(ピアノ)
エリック・デイヴィス(ベース)
ジャスティン・フォークナー(ドラムス)の4名です。
Tracks:
01: Dance Of The Evil Toys
02: Conversation Among The Ruins
03: Snake Hip Waltz
04: Cianna
05: Nilaste
06: Life Filtering From The Water Flowers
07: The Windup
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