前作 “Change Of Heart” でマーカス・ミラー系ファンクの道を切り開いたデヴィッド・サンボーンの1988年作品。もちろん本作もマーカス・ミラーのプロデュース。このアルバムが出た頃、確か富士五湖あたりで開かれたジャズフェスティバルのため来日し、このアルバムからの曲を演奏したことを記憶しています。
本作品もご他聞に漏れず前作の路線を継承した、そんなかっこいいアルバムになっています。アルバムのリード曲 “Slam” はまさに典型的な作品。リズムセクションを中心に、音作り自体は全体的にデジタルっぽいというか、音のキレがとても良く、こういうアップデンポの曲にはうってつけですね。
そういえば前述のジャズフェスティバルでは、このアルバムで大活躍のギタリスト、ハイラム・ブロックも同行していて、飛び跳ねながらプレイしていたような記憶があります。彼のプレイは、この辺りのサンボーンの音楽性にぴったりあっていてとても気持ちがよいです。
全体的には、やはりアップテンポなファンクナンバーでグイグイ引っ張っていく流れが良い作品です。”Slam”、”Pyramid”、”Tough”といったあたり、カッコいい。一方、本来の持ち味であるエモーショナルなバラード曲は、前作の紹介でも同じことを書いたのですがどうしても地味に聞こえてしまいますね。
ただ、有名なモータウンクラシックである “You Are Everything”。これはとても美しく、アルバムの雰囲気を気持ちよく和らげてくれます。
前作よりシンセサイザーの音が増えてきたので、もう少し「生演奏」の雰囲気を持たせても良いのかなとは思いましたが、これはこれで良いのかもしれません。
Tracks:
01: Slam
02: J.T.
03: Lesley Ann
04: Goodbye
05: Same Girl
06: Pyramid
07: Tough
08: So Far Away
09: You Are Everything
10: Camel Island
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