David Sanborn / Only Everything

いつのまにかDeccaに移籍していたDavid Sanbornの最新作 (2010年作品)。
移籍したのは前作からの様なので、2年ほど前。最近すっかりチェック不足でした。

新しいレーベルでは雰囲気が変わる、ということで聞き始めたのですが、やはり90年代辺りのファンキーさは完全に息を潜めていて、非常に落ち着いた、貫禄のある演奏となっています。角も取れて、実に大人向けのしっとりした音作り。以前よりも多少抑え気味のプレイに聞こえなくもないですが、どっしり構えた感じのサンボーンは、これはこれでいいですね。
プロデューサーはフィル・ラモーン。確かにこの雰囲気、分かります。

大好きなジョーイ・デフランセスコのオルガンが全般的にトラックの軸となっていて、その他ベース・ドラムスはかなりシンプルな演奏になっています。ちなみにドラムスはスティーヴ・ガッドですよ。

“Let The Good Times Roll” では、ジョス・ストーン姉さんのソウルフルなヴォーカルを中心に、サンボーンならではのエモーショナルなサックスがロマンティックに鳴り響く感じ。通勤の帰りなんかに聞くと、外を流れる都会の景色と相まっていい雰囲気です。

バラード系では、”You’ve Changed” が秀逸。流れる様なサンボーンのサックスと、ジョーイ・デフランセスコのオルガンが気持ちよく混ざり合い、とても美しい曲になっております。

ヴォーカル曲は2曲。前述したジョス・ストーンの他、ジェームス・テイラーが “Hallelujah I Love Her So” で参加。最初は意外な組み合わせに驚いたのですが、調べると前作でも参加していたみたいですね。
以前、ジェームス・テイラーのカバーアルバムの紹介でも書いたことがあるんですが、彼が歌う曲は、原曲に忠実な雰囲気でも彼の作品にしてしまう個性がありまして、本作でもそんな彼の存在感を感じます。デヴィッド・サンボーンの個性も強いためか、本作ではそれほどでもないとは言え、本アルバムの中ではちょっと不思議な雰囲気でした。この曲自体は非常に良い演奏だとは思いますよ。

収録曲がわずか8曲というところが少し残念ではありますが、じっくり聞ける大人のアルバムで、いい作品だと思います。

Tracks:
01: The Peeper
02: Only Everything (For Genevieve)
03: Hard Times
04: Let The Good Times Roll (featuring Josh Stone)
05: Baby Won’t You Please Come Home
06: You’ve Changed
07: Hallelujah, I Love Her So (featuring James Taylor)
08: Blues In The Night


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