1993年発表のアルバム。名作 “The Nightfly” 以来、何と11年ぶりの作品は、前作のゲイリー・カッツに代わり、かつての片腕であったウォルター・ベッカーにプロデュースを任せました。そのためか、前作と比べると、基本線はしっかり押さえつつも音作りはかなり変わっていると思います。
特徴的なのはリズムセクション。”The Nightfly” と比べると生っぽさが薄れてタイトで機械的なサウンドになっております。リズミカルなシンセサイザも多用されています。
本アルバムのコンセプトは、前作と打って変わって近未来を “Kamakiriad”という車で旅するストーリーという想定になっています。そのことから、こう言ったエレクトリックな部分だけではなくドライブ感あふれる曲が並んでいるのでしょうね。外出先で聞くには非常に適したカッコよいアルバムに仕上がっています。
先行してシングルリリースされた “Tomorrow’s Girl” (映画のテーマ曲としてアルバムに先行してリリース) を始め、ほとんどの曲がスティーリー・ダン全盛の後期 (1970年代後半)のような雰囲気を持っているところが、プロデューサーがウォルター・ベッカーになった事実と合わせて考えると非常に興味深いです。
その他、前作 “The Nightfly” と異なるのが、未来に向けたコンセプトということもあり、明るい曲調が大きく増えていることです。内容もあまり難解ではなく、比較的スッと流して聴くことができます。もしかしたら、解散同然になっていたスティーリー・ダンとしてやりたかった仕事は、こういう感じなのかなと当時思ったものです。
個人的に推しの曲は、”Trans-Island Skyway” “Snowbound” 。繰り返し繰り返し聴いています。
Tracks:
01: Trans-Island Skyway
02: Countermoon
03: Springtime
04: Snowbound
05: Tomorrow’s Girl
06: Florida Room
07: On The Dunes
08: Teahouse On The Tracks
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