前から少し気になっていたヴォーカリスト、おかもとえみがメンバーの「フレンズ」の初めてのフルアルバムです (2017年)。
フレンズは2015年結成。メンバーは、おかもとえみ (vocal)、ひろせひろせ (vocal & Kbd)、長島涼平 (bass)、三浦太郎 (G & Chorus)、SEKIGUCHI LOUIE (Dr.) の5名。
本作品の内容なのですが、これがまた見事なポップアルバムに仕上がっています。フレンズの特徴は、男女の掛け合いがあったり男声ラップが入ったりという、言って見れば「『少しだけ』懐かしい」あの感じです(分かるかな?)。音も歌詞も比較的素直で、私のようなおじさんでも違和感なく受け入れられるタイプの音、おかもとえみのヴォーカルも伸びがあって魅力的です。
で、不思議と幸せな気分にさせてくれる曲が揃ってます。この感覚は何なのか分からないのですが、「ビビビ」「夜明けのメモリー」「そんなかんじ」はかなり中毒的に聴いてしまいます。
異色なのは、ミュージカル仕立て?の「元気 D.C.T.~プロローグ~」。お遊び感覚と言ったら怒られるかもしれないですが、この自由な感じはなかなかいいです。この曲を聴いていると、ついあの呪文が頭から離れなくなるでしょう。でも「プロローグ」っていうのが気になって。続編があるんでしょうか…。
渋谷の隣の「神泉系」ポップバンドと呼ばれているフレンズ。この「神泉系」と言うのがまたこのバンドをうまく表現していると思います。
1990年代頃から生まれてきた「渋谷系」というコトバ。渋谷は若者が溢れる場所・若者文化の情報発信地で、バブル〜90年代はちょっと小綺麗で、おしゃれで、ちょっと背伸びできる街でした。今でも若者向けのおしゃれな街かもしれないけど、当時の「背伸び感」は失われた様な気がしますよね。「背伸びしなくていい街」になってしまった。少なくとも、私にとっては「背伸びできる街」ではないです。こっちが背伸びする必要がなくない程年を取ってしまったからなのですが。
でも、渋谷から道玄坂を上ってその向こうにある神泉エリアは、当時のあの雰囲気をまだ残しているのかな、という気がするのです。
この感覚がこのバンドにも言えるんだと思います。若者らしい自由なものを残しながら、でも大人にもしっかり伝えられる感覚。これを残しながら活動して行って欲しいなと思います。
「あの時の感覚」にまた浸ってみたい方は、是非。
Tracks:
01: ビビビ
02: シンデレラガール
03: Wake Up BABY
04: DON’T STOP
05: 夜明けのメモリー
06: Thema
07: 塩と砂糖
08: 元気 D.C.T.~プロローグ~
09: そんなかんじ
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