沖縄の芸能界では一番稼いでいると言われている護得久栄昇の2作目のフルアルバムです。
(以下、敬意を払い「護得久先生」と書かせていただきます)
2017年にリリースされた前作「護得久栄昇大全」は、タワーレコードとP-VINEの協力のもと全国発売されましたが、本作はテイチクエンタテインメントとの契約によるメジャーデビュー作品となっております。
そのためか、テイチクのオンラインショップでは数量限定でオリジナルのステンレスタンブラーとのセット販売がされるなど、強力なプロモーションが行われました。
(結構かっこよかったので買いたかったんですが、手が出ませんでした…)
さて作品についてですが、前作に引き続いて沖縄民謡界でバリバリ活躍中のよなは徹さんのプロデュースのもと、沖縄で活躍する民謡歌手、人気クリエーター、芸人たちが多数参加しております。
「出羽(んじふぁ)」で始まり「入羽(いりふぁ)」で終わるスタイルは前作同様。
前作でも収録されていた愛さ栄昇節のパート2や、前川守賢(元ちゃん)の軽快な作品「Mr.バンシルーチャメ!おじさん」、エレクトリックな曲調で沖縄のお菓子を歌う「タンナファクルー節」、アルバム発売の1ヶ月前に亡くなった水木一郎センセイへのオマージュとも言うべき「宇宙人V」など、軽快な曲が続きます。
模合というのは沖縄県外の方には馴染みがないと思いますが、仲間と集まって飲んだりお金を積み立てたりして出かける「寄り合い」みたいなものですが、この「模合」を題材にした「模合節」はコミックソングの王道を行く雰囲気を感じさせる名曲。「沖縄夜のまち情話」は民謡歌手の山川まゆみとのデュエットで実に艶っぽいロマン歌謡風。
そして21世紀の沖縄の鎮魂歌とも言うべき「椿油とワンピース」は、作品を制作した東外門清順(あがりふかじょうせいじゅん)さんが母から聞いたオバーの話が題材になっていて、歌詞の悲しさに思わず涙してしまいます。ただこの曲は護得久先生は歌ってないみたいですね…。
などなど、護得久先生が歌ってない曲もあったりして、先生なのにツッコミどころの多い彼のいじられキャラが垣間見える作品になっているのですが、前作よりも更にバリエーションの多い、楽しい作品になっております。
前作「護得久栄昇大全」も沖縄お笑い界の今を知ることのできるいい作品でしたが、こちらも素晴らしいです。前作をお聞きでない方は両方聴くことをおすすめしたいと思います。
Tracks:
01: 出羽
02: 愛さ栄昇節Ⅱ (Album ver)
03: Mr.バンシルーチャメ!おじさん
04: タンナファクルー節
05: 宇宙人V~いっぱいいるなら長男から来なさい!~
06: 護得久栄昇のどぅまんぎたベスト3
07: 愛さハミガキ節 (たっくゎし ver)
08: 1&15
09: 模合節
10: 沖縄夜のまち情話
11: 護得久栄昇の負けじ魂Ⅱ
12: 椿油とワンピース
13: 笑売繁盛節
14: シーサーは笑ってる
15: 入羽
コメントを残す