1987年に発表された井上陽水の2枚組、35曲入りのベストアルバムです。
井上陽水くらいのアーティストになってしまいますと、あちらこちらからいろんなベスト盤が発表されていて、大概どれにしたらよいか迷ってしまいます。
個人的には、アルバムとしてバランスが取れているベストは1987年にリリースされた「レ・ビュー」だと思っているのですが、これは80年代以降の陽水の活動に焦点を絞っており、70年代の陽水を全く聴くことが出来ない、という欠点があります。田村正和のドラマで「リバーサイドホテル」を知った人向き、という感じと言って良いでしょうか。またこのアルバムは現在廃盤で入手が困難です。
ということで、この「GOLDEN BEST」。本作は、2枚組ということではあるが、井上陽水の1999年までのキャリア全体を見るという意味では一番よいアルバムだと思います。「傘がない」時代の皆さんには、80年代以降の音源や奥田民生や安全地帯とのコラボレーションを楽しめますし、「少年時代」以降のファンには、逆に70年代の陽水の歌でちょっと衝撃を受けることができます。「今まで彼が発表したアルバムを全部聴けばいいじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、なかなかそうもいかないというもの。そういうところをベストアルバムは補完しているわけですね。
ですので、おすすめな聴き方としては、まずこのアルバムで全体を聴き、興味を持った時期の作品、「あれ?この曲がない」と言ったものを別途アルバムで購入し、楽しむ、という姿が正しいんじゃないかと思います。収録は年代順ではないので、その点はご注意ください。
Tracks:
[Disc 1]
01: 少年時代
02: ありがとう
03: Make-Up Shadow
04: アジアの純真
05: 最後のニュース
06: 傘がない
07: 氷の世界
08: 夢の中へ
09: リバーサイド ホテル
10: 心もよう
11: 5月の別れ
12: いっそセレナーデ
13: クレイジーラブ
14: 飾りじゃないのよ 涙は
15: ジェラシー
16: 青空、ひとりきり
17: 新しいラプソディー
18: 長い坂の絵のフレーム
[Disc 2]
01: とまどうペリカン
02: カナリア
03: ダンスはうまく踊れない
04: 娘がねじれる時
05: なぜか上海
06: 英雄
07: ワカンナイ
08: ワインレッドの心
09: 夏の終りのハーモニー
10: TEENAGER
11: Tokyo
12: タイランドファンタジア
13: 帰れない二人
14: Just Fit
15: 人生が二度あれば
16: 結詞
17: 積み荷のない船
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