1987年に発表されたJAGATARA (じゃがたら) のインディーズ最後の3作目の作品です。
この頃の日本のミュージックシーンをご存知の方であれば、JAGATARA作品の評価の高さは覚えておられるかもしれません。リーダーである江戸アケミが精神疾患から復帰し、前作「裸の王様」を発表したのち、わずか9ヶ月でリリースされた作品ですが、まったく手抜かりなく高いテンションを保ち続けています。
本作も、ハードなファンクをベースにして、ナイジェリアのフェラ・クティからの影響を受けたと言われるアフリカン・ビートを織り交ぜた、実にパンクで猥雑で激しいサウンドを聴かせてくれます。
本作はわずか4曲の収録となりますが、このうち2曲が10分を超える長尺曲。収録曲全てが素晴らしいのですが、特にこの長尺2曲が素晴らしい。
「みちくさ」は分厚いホーンセクションとギターとドラムスが13分間もの間跳ねまくる強烈なビート感に溢れる曲。「闇から闇へ葬り去られる時代で こうしろああしろそうしろと そんな世界にお前は住んでる」という歌詞で始まるこの曲、今の時代にも通じる内容。激しいビートで踊り続けよう。
「都市生活者の夜」は15分の長尺。「みちくさ」とは対照的に、延々と続くギターのリフ、静かに流れる都会の夜に身を任せている江戸アケミの、魂を揺らすヴォーカルが聞こえてくる、そんな曲。ここでの江戸アケミは何かに対してもがき苦しんでいるように聴こえるのです。
こんな真夜中に何をもがいているのか。
これは江戸アケミ自身の生きることへのもがきを表現していたんだろうと思うのです。聴き手の心もグラグラと揺さぶられる、JAGATARA屈指の名曲と言っていいでしょう。
個人的にもJAGATARAの作品では文句なしに最高傑作だと思っています。
Tracks:
01: 少年少女
02: みちくさ
03: ゴーグル、それをしろ
04: 都市生活者の夜
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