夏になると無性に聴きたくなるアルバムの一つが、アメリカでは長年愛されているジミー・バフェットの1988年発表の作品、Hot Waterです。
プロデュースは、ジミー・バフェットの作品ではお馴染みのマイケル・アトレー、ラス・カンケルとラルフ・マクドナルド。バックにアメリカ南部のリズム&ブルース界の大物、スティーヴ・クロッパー、ニューヨークを拠点に活動しているセッションミュージシャン、ヒュー・マクラッケンを中心とした “Coral Reefers Band” という、これまたジミー・バフェットらしい夏っぽい名前のバックバンドをメインに演奏は進んで行きます。
加えて、今回は参加アーティストがすごいんです。ネヴィル・ブラザースの面々は “My Barracuda”で実に黒っぽいバックヴォーカルを披露、そしてこの曲にはスティーヴ・ウィンウッドもオルガンで参加。爽やか系アメリカン・ミュージックには欠かせないイーグルスのティモシー・シュミットは、”L’Air De La Louisiane”、”Prince Of Tides”、”Great Heart”の3曲で実に彼らしいバックヴォーカルを聴かせてくれます。”Pre-You”ではグローヴァー・ワシントン・ジュニアのメロウなサックスがたまらなく良い。バックヴォーカルに関して言えばその他にもリタ・クーリッジが “Bring Back The Magic”、そしてジェームス・テイラーが “Pre-You”、”L’Air De La Louisiane” の2曲に参加していると言った具合です。
私にとってベストトラックは何といっても”Pre-You”。幻想的でロマンティックな歌詞と、最高にオシャレで、優しく聴かせてくれるグローヴァー・ワシントン・ジュニアのサックス…。夏の夕方、浜辺に映える太陽を見つめながら聴けたらすばらしい、そんな雰囲気を持った素晴らしいバラードです。
あとはシングルカットされた(但しあまりヒットはしなかった)”Bring Back The Magic”。これも佳曲で、実に夏っぽい、ビーチを眺めながら聴いてみたい雰囲気に満ちています。
その他にも、スティールドラムが登場するトロピカルな “King Of Somewhere Hot”、アフリカン・ビートも聞こえてくる “Great Heart”などなど、やはりジミー・バフェットならではのフロリダっぽさたっぷりの、そんな楽しいアルバムです。もっともっと日本でも評価されて然るべき、リゾート感覚溢れるかなりゴキゲンな作品。
Tracks:
01: Homemade Music
02: Baby’s Gonna Shoppin’
03: Bring Back The Magic
04: My Barracuda
05: L’Air De La Louisiane
06: Prince Of Tides
07: Pre-You
08: King Of Somewhere Hot
09: Great Heart
10: Smart Woman (In A Real Short Skirt)
11: That’s What Living Is To Me
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