Keith Urban / Defying Gravity

2009年発表の、キース・アーバンの6作目の作品です。

彼の場合、元々カントリーアーティストとして出発してはいるのですが、オーストラリア出身ということもあるのか、非常にポップ的な要素が強い作品を出し続けておりまして、本作は特にその傾向が強く一番カントリー色の薄い作品と言っていいのではないかと思います。

ファーストシングルである “Kiss A Girl” を聴いてみると分かりますが、カントリーフォーマットのラジオ局ではあまり聴かれないタイプの、西海岸系のかなり乾いた感じのポップロックという印象が強くなっております。それだけに、一般受けと言う意味ではかなり良い感じの曲ではあるのですが、コアなオールドカントリーファンにとっては、ちょっと違和感を感じるかもしれない。

そんな中でも、彼のアルバムでは大概バンジョーやマンドリンと言った、カントリーでよく使われる楽器を隠し味的に使って独特の雰囲気を作り上げてきています。しかし、本作ではその隠し味もほとんど目立たないと言う感じとなっていて、キース・アーバンを知らない人にとっては、まさかカントリーの人とは思わず、「すごく軽快なロックアルバム」という評価になると思います。

とは言え、以前から彼の音楽を聴いてきている人たちにとっては、本作も前作同様素晴らしいし、軽快さはやっぱり変わってないと評価するのではないでしょうか。むしろ過去の作品と比べるとこの軽快さ・ドライブ感は強いと言えます。
彼のシャウトも相変わらず魅力的です。(私もカラオケでここまでかっこ良くシャウトできたら良いなと思う次第… カラオケでのシャウトは変ですかね?)

1点だけ残念なのは、本作は曲とヴォーカルに注力したためなのか、彼の魅力でもあるギターキッズぶりが発揮されていなかったことですかね。いつもの、カントリーアーティストとは思えぬ激しいギターソロとかが若干控えめかなと思いました。次作では弾きまくって欲しいです。

お勧めとしては、軽快なポップがとても心地よい “Kiss A Girl”、夏の始まりを思わせるバラード調の “Til Summer Comes Around”、本作で一番ロックテイストな”Hit The Ground Runnin’”、彼らしい夏イケ系な “Standing Right In Front Of You”あたりでしょうか。でも、どの曲もいいですよ。夏向きの爽快な作品。

Tracks:
01: Kiss A Girl
02: If Ever I Could Love
03: Sweet Thing
04: ‘Til Summer Comes Around
05: My Heart Is Open
06: Hit The Ground Runnin’
07: Only You Can Love Me This Way
08: Standing Right In Front Of You
09: Why’s It Feel So Long
10: I’m In
11: Thank You


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