1年振り14作目の作品となります。バンドスタイルとなって以降のKIRINJIはコンスタントにアルバムをリリースしてくれているのは嬉しい限りです。
本作も前作「愛があるだけ、すべて」からの大きな流れは変わっていなくて、卓越したテクニックによる生の音楽とプログラミングによるデジタルな音楽が絶妙に混ざり合い独特の風合いになっています。淡々と刻むリズム、軽めのファンクとポップがミックスしたような、KIRINJIにしか出せないグルーヴ。音の面からはこの辺が大いに楽しめる所です。
また、前々作、前作に引き続いてはヒップホップとの共演があります。前々回はRHYMESTER、前回はCharisma.comが参加しているのですが、今回は「killer tune kills me」でYonYonが韓国語のラップを披露したり、「Almond Eyes」では鎮座DOPENESSが参加してます。(鎮座DOPENESSは先日ちょっとニュース沙汰になってしまったのですが、大丈夫なのでしょうか?心配です)
この昨今のヒップホップとの交流、私は非常に良いなと思っていて、別段ヒップホップを聴き込んできているわけではないのですが、融合具合がとても絶妙で、KIRINJIの音楽の幅を広げるアクセントになっています。特に本作における2曲は対照的で、「killer tune kills me」は女の子の微妙な心の動きを、リードヴォーカルの弓木英梨乃とYonYonのラップ&ヴォーカルが切なく表現していたり、一方の「Almond Eyes」はシティポップさも感じるやや懐かしいディスコチューンとも言える曲。
その他にもバラエティに富んだ曲ばかりで、いかにもライブで盛り上がりそうな「Hamburger VS Pizza」のような訳の分からない(?)歌詞の曲もあったり。そして演奏のレベルがとにかく高いです。聴く側を決して飽きさせることがない見事な作品となっています。
Tracks:
01: 「あの娘は誰?」とか言わせたい
02: killer tune kills me (featuring YonYon)
03: 雑務
04: Almond Eyes (featuring 鎮座DOPENESS)
05: shed blood!
06: 善人の反省
07: Pizza VS Hamburger
08: 休日の過ごし方
09: 隣で寝てる人
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