リンダ・ロンシュタットの1989年の作品です。
1982年に発表した “Get Closer” が商業的に失敗に終わり(私自身もあんまり好きではなかった)、それ以降ネルソン・リドル・オーケストラとの共演、メキシコのマリアッチを取り上げた作品などを発表していた彼女が、久し振りのポップアルバムということでちょっとした話題になりました。私の大好きなアーロン・ネヴィルがヴォーカルで4曲参加しており、アルバムにも “Featuring Aaron Neville”とクレジットされています。
本作の聴きどころは、やはりアーロン・ネヴィル参加の4曲でしょう。
ポール・キャラック、ニック・ロウ、マーク・ベルモント作品の “I Need You” は、ポール・キャラックによってスマッシュヒットした曲をカバーしたもので、明るめのポップ・チューン。カーラ・ボノフ作品の”All My Life”、バリー・マン、シンシア・ウェル、トム・スノーというAOR黄金コンビによる “Don’t Know Much” は切ないまでのポップ・バラード。アイザック・ヘイズとデヴィッド・ポーターによるブルージーなナンバー “When Something Wrong With My Baby” は、B.B.キング、オーティス・レディング、ソニー・ジェームスなども歌っている、いわばブルース/ソウルのクラシック。この4曲とも、リンダとアーロンという2人のトップ・ヴォーカリスト完璧なデュエットが堪能できます。なお、”When Something Wrong With My Baby”では、タワー・オブ・パワーのホーンセクションがバックを盛り立てていてこれも最高、私にとってのベストトラックでもあります。
これ以外にも、ブライアン・ウィルソンがコーラスで参加している”Adios”、カーラ・ボノフ作の名曲、”Trouble Again” なども素晴らしいです。リンダ・ロンシュタットの円熟味を増したヴォーカルが最高で、女性ヴォーカルをじっくりと聴き込みたい方には超お勧めの作品だと思います。
Tracks:
01: Still Within The Sound Of My Voice
02: Cry Like A Rainstorm
03: All My Life
04: I Need You
05: Don’t Know Much
06: Adios
07: Trouble Again
08: I Keep It Hid
09: So Right, So Wrong
10: Shattered
11: When Something Is Wrong With My Baby
12: Goodbye My Friend
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