今年の夏は久し振りにメキシコ音楽をいくつか聴いてみました。
夏に聴く素朴なメキシコ音楽は実に趣きがあります。

その中でも、ビルボードのラテンチャートで上位にランクされた本作。
Los Plebes del Rancho de Ariel Camacho (アリエル・カマチョの牧場の男たち) とクリスチャン・ノダルによる2021年発表の最新作です。

Los Plebes del Rancho de Ariel Camacho はメキシコの伝統的な音楽を演奏する3人組の若手バンドです。リーダーでヴォーカル担当だったアリエル・カマチョは2015年に交通事故で22歳の若さで死去、その後彼の名前を残しながら活躍中です。
クリスチャン・ノダルは、メキシコのシンガーソングライターでまだ22歳。YouTubeでも人気となり、これからが楽しみなアーティストです。

さて本作ですが、メキシコ音楽の中でもカントリー的な位置付けの「ランチェラ」が中心となった構成になっています。「ランチェラ」は3拍子の曲が多く、本作では “El Rey De Corazones” “Cida Truncada” を始め10曲中7曲にのぼります。アコーディオン、ギター、トロンボーンを中心に、クリスチャン・ノダルが気持ちよく歌い上げています。

ヒットした “2 Veces” は、上記した楽器の他にトランペットを加え、メキシコ音楽ならではの哀愁に満ちた雰囲気があり、私も大好きな曲です。まるで自分がメキシコの街角で夕焼けをバックに演奏しているのを聴いているような、そんな気持ちになります。実に魅力的。

この、楽しさと哀愁が同居した旅情感がメキシコ音楽の最大の魅力で、皆さんにも分かって欲しいなあと思っておりますが、いかがでしょうか。

Tracks:
01: 2 Veces
02: El Rey De Corazones
03: Cida Truncada
04: 50 Mentadas
05: Hablemos
06: Por Qué Te Portaste Mal (Di Por Qué)
07: Ya Lo Superé
08: Yo Quisiera Entrar
09: Por No Perderte Te Perdi
10: Amarga Derrota