Neil Young / Tonight’s The Night

1975年発表。レコーディングは1973年8月に行われたものがメインになっています。

このアルバムが発表されるまでの経緯は有名な話なのですが、簡単に記しておきましょうか。

クレージー・ホースに在籍していたギタリストでソングライターでもあったダニー・ウィッテンが1972年11月にドラッグのオーバードーズで死亡、クロスビー、スティルス&ヤングのローディーであったブルース・ベリーもオーバードーズによる死を遂げた。ニール・ヤングがこの2人の仲間に捧げたのがこのアルバムです。

1973年8月に、ビリー・タルボット (ベース)、ラルフ・モリーナ (ドラムス)、ニルス・ロフグレン (ギター)、ベン・キース (ペダルスティール)とニール・ヤングの5人がテキーラを飲み、ほぼ泥酔状態で一発録りのレコーディングを行いました。このアイデアはニール自身によるものだったらしいです。

このレコーディングで録音された9曲は、1974年初めに発表される予定だったのですが、レコード会社であるリプリーズからの猛反対にあい中止となってしまいました。
1975年になって、未発表曲 (“Borrowed Tune” “Look Out Joe”)と、ダニー・ウィッテンがリードヴォーカルを取った1970年録音のライブ曲 (“Come On Baby Let’s Go Downtown”) の計3曲が追加され、ようやく発表されることになりました。

1973年録音の9曲は、一発録りの緊張感と友人の死の悲しさが、聴く側の身体中にグイグイ迫ってきます。初めて聴いた時は、アルバムジャケットの雰囲気から暗い雰囲気を感じたのですが、暗さではなく、ピンと冷たく張り詰めた緊張感なのだということが分かってきました。

内容的に、決して楽しく聴けるアルバムではありません。明らかに泥酔状態で演っているのが分かる曲もあります。しかしながら、ニール・ヤングが真剣に音楽に向き合った作品の一つで、この魂のこもった内容は人々を感動させます。
ニール・ヤングの数多いアルバムの中でも名作中の名作で、もちろん私にとっても大好きなアルバムです。

Tracks:
01: Tonight’s The Night
02: Speakin’ Out
03: World On A String
04: Borrowed Tune
05: Come On Baby Let’s Go Downtown
06: Mellow My Mind
07: Roll Another Number (For The Road)
08: Albuquerque
09: New Mama
10: Look Out Joe
11: Tired Eyes
12: Tonight’s The Night – Part II


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