※2022年12月リリースのため、2023年のベストアルバムの選考対象作品です。
さよならポニーテールの2022年リリースのフルアルバムです。
これで9作目。2011年からメンバー交代をしながら活動してきているので、9作目というのも頷けますが、コンスタントに楽曲をリリースしていますね。
さてお恥ずかしながら、私がさよならポニーテールの作品を初めてきちんと聴いたのは今年に入ってからです。それまでは、アニメに興味のない私にとってはどうも顔出しがなくビジュアルがイラスト、ライブもやらない、という独特のプロモーションがあまり好みではなかったからです。(アニヲタさん達への偏見があるのかも。ごめんなさい。)
曲の方は、ちょい聴きの印象ではいい曲があるなあと思ってはいたものの、ちょっと私には聴き通すにはポップすぎるかな?と思っていたのです。スピッツの曲をカバーしていたのと「青春ノスタルジア」は聴いていました。
ところが今年の夏にリリースされた配信シングル「熱帯夜」を聴いてびっくり。夏の終わりの夜にちょっとだけ涼しくなった風を感じるかのような、ちょっとアダルトな雰囲気のサウンド、リードヴォーカルを取る「しゅか」の幼い感じなのに少し艶っぽいウィスパー気味のヴォーカルにドキッとしました。
この感覚、私にとっては先日グループから離れたフィロソフィーのダンスのおとはす(十束おとは)のヴォーカルに出会ったときのものに似てまして、以降のリリースを
聴き始めた、という次第です。
さて本作。結論から書くととても気に入りました。ちょっと昔に聴いたことのあるニューミュージックっぽい曲あり、80年代のミネアポリスファンク風あり、正統派AORありと、なかなかバラエティに富んだ内容となっています。
執筆時で最新シングル (配信) の「とおい明日」のイントロから流れるホーン風のシンセは生のフリューゲルホーンとかで演ったら良いだろうなとか、そういうことも考えるわけですが、心地よく淡々と刻むテンポがたまらないですし、リードヴォーカルを取る「ゆゆ」がすごく良いんですな。
その他ドライブ感のある「サンセット」、アコースティックギターとベースで聴かせる「つぎの夢」、ちょっと前のポップスを聴いてるような錯覚に陥る「クレイジーボーイ」などなど。実に完成されてて立派なポップアルバムになっております。
今までは好んで聴く層が限定されていたのかなあ (つまり私はそれほど好んで聴かない) と思っていたさよならポニーテールですが、このアルバムは真逆で、一気にこっちに寄ってきてくれたような気がします。すなわち50代以上のガチなベテラン音楽ファンでも十分いける作品になってます。かなりお勧めです。
Tracks:
01: ゆらめき
02: とおい明日
03: キュリアスガール
04: 月とピザ
05: サンセット
06: つぎの夢
07: クレイジーボーイ
08: こどもたちのための星占い (パート2)
09: 熱帯夜
10: 朝日のように君は
コメントを残す