1958年にリリースされた、ソニー・クラークのリーダー作であり代表作です。ジャズファンでなくても、このジャケットはあまりに有名ですよね。
さて、まずはメンバーのご紹介から。
Sonny Clark – piano
Art Farmer – trumpet
Jackie McLean – alto saxophone
Paul Chambers – bass
Philly Joe Jones – drums
ご多分にもれず、私の大好きなポール・チェンバースさん参加です。
このアルバム、ピアニストであるソニー・クラークのリーダー作なんですけど、リーダーはあまり表に出ず、バッキングに徹する曲もあるという珍しい作品だと思います。
アルバムタイトル曲でもあり、本作品でも一番有名な曲である “Cool Struttin’” では、リーダーは派手なフレーズも弾かず淡々とプレイ。アート・ファーマーとジャッキー・マクリーンは一番目立つフレーズをバッチリ決める。大好きなポール・チェンバースはベースソロを得意のアルコ奏法で披露、という感じです。いい曲。
次の “Blue Minor” はタイトル通りマイナー調ですが、この曲も良い。この曲でもホーン担当の2名が目立つんですけど、この曲でのリーダーは結構頑張っています。派手さはないけれど、ものすごくフレーズが丁寧できれい。鍵盤の上を指で転がしていく様が美しい。
この冒頭の2曲でほぼほぼヤラれてしまうので、後は聴き続けて行けちゃいます。これぞバップ。ハード・バップという感じです。
と言いつつも、ハード・バップの中でもゆったりして聴ける、誤解を恐れず書くと「張り詰めた緊張感の少ない、聴きやすい」バップなのかなと思います。これはこれで良いです。
とにかく、曲がすごく良くて、リーダーが目立ちすぎず参加ミュージシャンにきちんとソロをさせてるという雰囲気を感じますね。フリー・ジャズっぽい方面に動き始めちゃう前のジャッキー・マクリーンが実に正統派と言う感じ。アート・ファーマーも結構リラックスした演奏を聴かせてくれてますし、フィリー・リー・ジョーンズもベーシックで安定感の非常にあるドラミング、そしてポール・チェンバスはアルコ奏法を始め、フレーズフレーズで結構目立った音を出してくれてます。
ちょっと余談になるかも知れませんが、このアルバムではベースが比較的強めに聴こえて来る気がします。ハード・バップのキモはどっしりしたベースだ!と勝手に思っている私としては嬉しいばかりです。
全般的には、難解でなく聴きやすい作品なので、万人向けだということもできるでしょう。ジャズファンでなくても、.聴いていて落ち着けますよ。
Tracks:
01: Cool Struttin’
02: Blue Minor
03: Sippin’ At Bells
04: Deep Night
05: Royal Flush
06: Lover
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