1957年に録音・リリースされた、ソニー・ロリンズ初期の名盤です。
Volume 2というタイトルですが、これは彼がブルーノートからリリースした2作目、という意味です。
いきなり余談ですが、このアルバムジャケット、ジョー・ジャクソンが1984年に発表した “Body And Soul” でオマージュしたことでも有名で、80年代のロックファンもどこかで見たことのあるジャケット、ということになっております。
それにしても、メンバーが豪華ですね。
Sonny Rollins – tenor sax
J.J. Johnson – trombone
Horace Silver – piano
Thelonious Monk – piano
Paul Chambers – bass
Art Blakey – drums
ホレス・シルヴァーがいるのにセロニアス・モンクまで参加させてしまうという豪華さ。
私が知る限り、ソニー・ロリンズの名盤はプレステージ時代の Saxphone Colossus を挙げる人が多いみたいなのですが、私はこの Volume 2が一番好きです。何と言っても全体的なテンションの高さがたまらないです。
アート・ブレイキーのドラムに煽られるように、ソニー・ロリンズとJ.J.ジョンソンは吹きまくります。特にソニー・ロリンズが書いた冒頭の2曲 “Why Don’t I”と”Wail March” では、「豪快」と言う言葉がぴったり当てはまるプレイを聴かせてくれます。”Why Don’t I” では、ソニー・ロリンズが曲の後半でのフレーズの入りを間違えるという、なかなかアルバム作品では聴けないハプニングもあるほど高揚していたと思います。聴く側のテンションも上がります。
ホレス・シルヴァーは、ソロにおいて実に彼らしい独特な空気を生むプレイを聴かせてくれますし、セロニアス・モンクは、彼の作品である中盤のブルージーな2曲 “Misterioso” と “Reflections” での存在感。”Misterioso” での曲調・メロディー・ピアノソロを聴かせてくれます。ちなみにこの曲、モンクとシルヴァーが1台のピアノに並んで座り、それぞれのパートを演奏していたという逸話もありますが、2人のソロの対比が興味深かったです。”Reflections” ではシルヴァーは参加せず、またJ.J.ジョンソンも参加しないカルテット構成での演奏。モンクはモンクらしいソロを弾き、彼の世界に引きずり込まれるようです。
個人的に大好きなポール・チェンバースは本作品でもしっかりと曲全体を下から支えてくれてます。周りのメンバーのテンションが高く、むしろ地味な立場だなあと思って聴いていましたが、後半の “You Stepped Out Of A Dream” ではお得意のアルコも登場し、ホッとしました(笑)。
ソニー・ロリンズがあまり得意としないと言われるバラードものも、アルバムの最後を飾る “Poor Butterfly”。これがすごく良くて、アルバムの最後を飾るにふさわしい作品になっています。
Tracks:
01: Why Don’t I
02: Wail March
03: Misterioso
04: Reflections
05: You Stepped Out Of A Dream
06: Poor Butterfly
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