Steely Dan / Two Against Nature

スティーリー・ダンが、1980年の “Gaucho” 以来20年ぶりにリリースしたアルバムです。

この20年もの長い間、ウォルター・ベッカーは主にプロデューサーとして、ドナルド・フェイゲンはソロ活動を行っていたため、時折名前は見聞きしていましたが、それにしても20年振りかあ…と驚いたものです。また1993年には、ドナルド・フェイゲンのソロアルバム “Kamakiriad”ではウォルター・ベッカーがプロデューサとして参加していることもあり、そういう面からもそれ程のブランクを感じないのかも知れません。

さて内容ですが、全体を包む雰囲気は前作以来20年経っても基本的に変わっていません。20年のブランクがあってもクオリティが変わらないと言うのはすごい。

スティーリー・ダンと言えば、1978年の名作 “Aja” でとことんこだわった、「最高のミュージシャン達によるあまりに完璧なまでのサウンド」というイメージが思い浮かびます。本作では “Aja” ほどの豪華ミュージシャンの参加はありませんが、音はほぼ完璧と言った作りになっています。
全体的にタイトなリズムトラックをメインにウォルター・ベッカーのギターとドナルド・フェイゲンのキーボードとヴォーカルが微妙なブレンドで演じられています。昔からのスティーリー・ダンのファンも、冒頭の “Gaslighting Abbie” で他のアーティストには真似できない独特のベースラインと複雑なコード進行を聴いたら、ある意味ホッとするでしょう。その後の曲もずーっと彼らならではの独特の世界が続きます。最後の “West Of Hollywood” の雰囲気はやや「普通の」曲に聴こえるものの、それ以外は彼らにしか表現できない複雑だがとても美しい演奏、難解な歌詞が続きます。

昔からスティーリー・ダンを聴き続けている人にとってはあまり違和感なく受け入れられると思いますし、この作品でスティーリー・ダンに出会った人は、超名作である前述 “Aja” や “Gaucho” を聴く動機にもなって、そういうしているうちにスティーリー・ダンの沼にハマってしまうこと間違いありません。
ジャズ好きにも、ソウル好きにも、ポップ好きにも薦められる作品となっています。

Tracks
01: Gaslighting Abbie
02: What A Shame About Me
03: Two Against Nature
04: Janie Runaway
05: Almost Gothic
06: Jack Of Speed
07: Cousin Dupree
08: Negative Girl
09: West Of Hollywood


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