2018年4月にリリースされたばかりの寺嶋由芙の2作目のフルアルバムです。
私は昨年くらいから寺嶋由芙の曲を聴き始めたのですが、そのあまりに正統派な作品達にアイドル黄金時代と言われた80年代のあの雰囲気を重ねていたものです。シングルにもなった「天使のテレパシー」や昨年末に発売されたクリスマスソング「背中のキッス」あたりは、年代的に高めの方でも昔アイドルポップスを聴いていたならスッと入って行ける佳曲です。「きみが散る」や「たぶん…」の影のある感じもグッとくるでしょうし、サビから入る「わたしを旅行につれてって」も典型的なアイドル歌謡全開で、ニンマリしてしまうはずです。
一方で、演歌とかも好きという彼女。あまりに演歌なジャケットで驚いたりもした「終点、ワ・タ・シ。」や、夏に向けての音頭調「夏’n ON-DO」などを入れてくるあたりは、単なるネタではなく本人が好きなのだなと感じます。本格的な演歌歌手として、ということであればまだまだなんですけど。
最新シングルにもなったタイトルトラック「きみが散る」は歌詞を若手詩人の最果タヒが担当し、曲は公募。「結婚願望が止まらない」は作詞いしわたり淳治、作曲が鈴木慶一というのも話題。
こんな感じでバラエティに富んだ内容となっているのですが、聴いていて素直に楽しいと感じる作品です。意外とこういう作品って少ないもんなのです。プロデューサーである加茂啓太郎さんも彼女の魅力を存分に引き出していると思います。
彼女にとっても今の活動が充実しているんだろうなということが聴き手にも伝わってくる感じ。目の前がパーッと広がっている感じのする、アイドルポップスの名作です。
Tracks:
01: きみが散る
02: 知らない誰かに抱かれてもいい
03: 君より大人
04: 結婚願望が止まらない
05: 天使のテレパシー
06: 背中のキッス
07: 終点、ワ・タ・シ。
08: 夏’n ON-DO
09: たぶん…
10: わたしを旅行につれてって
11: 好きがはじける
12: みどりの黒髪
13: コンプレックスにさよなら
14: 世界で一番かわいい君へ
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