Tony Bennett / Duets II

2011年に発売されたトニー・ベネット御大の作品。トニー・ベネットは、もう過去の人としか思われていないと思うのですが、これは完全な間違い。確かに伝説化したシンガーとは言えますが、87歳になった今もコンスタントにアルバムを発表し、精力的な活動をしているから驚きです。もちろん、本国アメリカでは今でも人気シンガー。

本作は、一時期ブームにもなった「デュエット集」の、トニー・ベネットにとって第2弾なのだが、メンバーが超豪華。アリーサ・フランクリン、ウィリー・ネルソン、ナタリー・コール、k.d.ラングと言ったヴェテラン女性シンガーを始め、レディ・ガガ、ジョン・メイヤー、マイケル・ブーブレ、エイミー・ワインハウスと言ったスターたちも参加。さすが歌手歴60年以上の人は違いますね。こういう豪華な企画ができてしまうのも、アメリカならではでしょう。

それにしてもトニーの声はいいですねえ。とても85歳(発売当時)のじいさんとは思えない、伸びのあるセクシーな歌いっぷりは見事。声の枯れ方もまた艶やか。この作品を聴くたび、こんなじいさんになれたらどんなに幸せか、と思います。

さて作品の方ですが、何と言ってもエイミー・ワインハウスの ”Body And Soul” が特筆すべき作品でしょうね。調べてみると、エイミー・ワインハウスが急逝する4ヶ月前に録音された、彼女の最後のレコーディング作品と言われています。この曲は1930年代のジャズ・スタンダードで、エイミーの特徴のある声が、今となってはどこか哀し気にさえ聴こえて来るから不思議です。

その他のお薦め曲としては、ショータイムの始まりとばかりに豪華なアレンジでアルバムの冒頭を飾る、レディ・ガガとの ”The Lady Is A Tramp” 、クイーン・ラティファとの ”Who Can I Turn To”、k.d.ラングと渋めにキメる ”Blue Velvet”あたり。また、余り評判は良くないみたいですが、個人的にはウィリー・ネルソンとの「2人合わせて163歳コンビ」による ”On The Sunny Side Of The Street” や、歌いだしの瞬間彼女と分かるヘビーなアリーサ・フランクリンとの ”How Do You Keep The Music Playing” (オリジナルはジェームス・イングラムとパティ・オースティン)もなかなか味わい深いです。

アルバム全体の雰囲気は正統派ジャズヴォーカルアルバムと言う趣で、年も暮れに近づいてくるとこういうタイプの曲を好んで聴く私にとっては必携の作品。ヒップホップ全盛の今でも、アメリカの音楽シーンはこういう「スーパースター」もしっかり支えているんだと言うことを改めて認識させられる、名盤です。

Tracks:
01: The Lady Is A Tramp (duet with Lady GaGa)
02: One For My Baby (And One More For The Road) (duet with John Mayer)
03: Body And Soul (duet with Amy Winehouse)
04: Don’t Get Around Much Anymore (duet with Michael Bublé)
05: Blue Velvet (duet with k.d. lang)
06: How Do You Keep The Music Playing (duet with Aretha Franklin)
07: The Girl I Love (duet with Sheryl Crow)
08: On The Sunny Side Of The Street (duet with Willie Nelson)
09: Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me) (duet with Queen Latifah)
10: Speak Low (duet with Norah Jones)
11: This Is All I Ask (duet with Josh Groban)
12: Watch What Happens (duet with Natalie Cole)
13: Stranger In Paradse (duet with Andrea Bocelli)
14: The Way You Look Tonight (duet with Faith Hill)
15: Yesterday I Heard The Rain (duet with Alejandro Sanz)
16: It Had To Be You (duet with Carrie Underwood)
17: When Do The Bells Ring For Me (duet with Mariah Carey)


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