上田正樹&サウストゥサウスが1991年に再結成した際、京都大学西部講堂で収録されたライブを収めたアルバムです。
1960年代後半生まれの私のような世代は、「悲しい色やね」のような渋いバラードをリアル体験していて、上田正樹はもともと大阪でブルースをやっていたとは知りながらも、歳を重ねるとともに落ち着いた作品を歌うようになっていたのかな?と思っていたのですが、とんでもありませんでした。
まず、最初の “Opening” での怒濤のファンク攻撃で完全にノックアウトされました。こりゃすごい。日本のバンドでここまでかっこいいファンクをやってくれる人たち、いたんですね。
「あこがれの北新地」のリラックスしたホンキー・トンク風の曲は味があり、と思いきや、似た雰囲気を持つ「とったらあかん」ではクスリがらみの歌詞(この曲、公共の電波で放送できるのでしょうか?)、「Come On おばはん」では上田正樹が煽りに煽った上に3文字の放送禁止用語(流石に音源でも「ピー音」が入ってます)を言い放つなど、とっても危険で過激な進行。
新曲と言って紹介された「大阪一番 “¥en Power”」で、一見都会的な中西康晴のエレピのイントロから、ストレートなファンクに変わって行くところは実におしゃれ。アンコールでの2曲ではオーティスのカバー。上田正樹、めっちゃカッコいい。彼らのリズム&ブルース好きがしっかりと伝わってきます。
このアルバムの後半のMCで、上田正樹は「日本に良い音楽がはびこるまでオレはやる」と宣言しています。こういう気合の入ったアーティストがいないと、日本の音楽は死んで行ってしまうのだなと感じました。
何度聴いても、とにかくカッコいいライブ。観客の熱狂さも相まって、本当にこの場にいたかったなと思えてきます。
最高にカッコよく、危険な作品です。
Tracks:
[Disk 1]
01: Opening
02: Opening – South To South
03: The Funky Penguin
04: Love Me Tender
05: あこがれの北新地
06: とったらあかん
07: 梅田からナンバまで
08: Come On おばはん
09: 大阪へ出て来てから
[Disk 2]
01: 大阪一番 “¥en” Power
02: Walking The Dog
03: Ooo Poo Pah Doo
04: むかでの錦三
05: おまえを救けに行く
06: Route 66
07: Try A Little Tenderness
08: I Can’t Turn You Loose
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