2018年4月にリリースされた、ウィリー・ネルソンのアルバムです。
このサイトを見ていただいている方は十分ご察しだと思うんですが、私はずいぶん昔からウィリー・ネルソンのファンでして。最初に好きになったのは1979年なので、まもなく40年になります。
レビューを書く度に落語の「マクラ」のように記すのですが、ウィリーは御年85歳。レコーディングに関して言えば、過去何十年もの間ほぼコンスタントにアルバム(しかも寄せ集めのベスト盤ではない作品)を発表しているというすごい人です。数えるのが大変なのでWikipediaの記述に任せてしまうのですが、本作は67枚目のスタジオ録音作品だそうです。
今回もオリジナルアルバムで、基本的にはウィリー自身とプロデューサーでもあるバディ・キャノンによる作詞・作曲です。またアリソン・クラウスも参加。何というか、85歳とは思えぬエネルギッシュな作品ですよ。
ややブルージーな部分があったり、冒頭のアルバムタイトル曲なんかはアーシーロック的なカッコ良さが素晴らしいです。もちろんベースとなっているトラディショナルでありアウトローなカントリーも全く衰えを見せず、元気一杯に聴かせてくれて大満足です。
また、特に最近の作品で見かけるようになった、自らの老いを自虐的に扱ったと思えるようなユニークな作品がいい出来です。
タイトル曲の”Last Man Standing” 。これは同世代のカントリーミュージシャンが亡くなり、現在もちゃんと活動しているのは彼くらいしかいない。「俺は最後の男になりたくない。でも多分そうなるだろう。だけどそんなことは気にしない」と宣言しているような曲です。
それから、”Bad Breath”。直訳すると(悪い意味での)「口臭」ですね。昔のポリデントの「おじいちゃん、お口臭〜い」ってやつです。
「口が臭いのは、息をしてないよりずっとマシ」っていう歌です。
この辺はウィリーにしか歌えない曲だよなあと思います。
声の衰えもないし、アルバムの録音の都度、住んでいるハワイからナッシュビルまで飛んでくるもの大変だと思うんですけど、ずっと演っていてほしいなと願っています。
Tracks:
01: Last Man Standing
02: Don’t Tell Noah
03: Bad Breath
04: Me And You
05: Something You Get Through
06: Ready To Roar
07: Heaven Is Closed
08: I Ain’t Got Nothin’
09: She Made My Day
10: I’ll Try To Do Better Next Time
11: Very Far To Crawl
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